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切り抜き詳細
発行日時
2013-3-10 8:25
見出し
いわき再訪
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3459
記事詳細
丹波市出身で、 福島県いわき市で飲食店と小売店を営む新谷尚美さんを1年3カ月ぶりに訪ねた。 新谷さんの店は繁盛していて、 ホッとした。 水産、 農産加工品を購入し、 自宅へ送った。 完熟ユズとイチジクの商品は極上の味。 店が面している南相馬市、 仙台市へと続く大動脈、 国道6号を1人、 車で北上した。 広野町、 楢葉町と通り、 その北の富岡町との町境で止められた。 前回より8キロ北に進めた。 昨年8月まで警戒区域だった楢葉町。 開いている店はなかった。 田んぼという田んぼに、 汚染された草などを詰めた黒い袋が10個程度ずつ置かれていた。 仮置き場には、 膨大な数の袋がうず高く積まれていて、 異様な光景だった。 これをどう処分するのだろう。 新谷さんの店から車で10分ほど北のいわき市北東端の久之浜地区。 津波で全半壊していた家々が解体され、 基礎だけを残し、 広い地面と青い空が広がっていた。 周囲に建物がなくなり、 すっかり見通しが良くなったほこらに、 前回も見た白いのぼりがあった。 「ここに故郷あり」 と書かれたのぼりは、 海風を一杯に受け、 はためいていた。(足立智和)