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切り抜き詳細

発行日時
2013-2-10 9:04
見出し
天国に一番近い島①
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3432 天国に一番近い島①への外部リンク
記事詳細
 一月末の小雪の舞う朝、 南半球の島、 ニューカレドニアの旅へ出発。 直行便は成田と関空からなので、 まずはJRで関西空港へ。 午前十一時五十分に離陸、 ニューカレドニアのトン・ツータ空港には午後十一時着、 二時間の時差を引くと約八時間半のフライト。 現地、 ヌメアには、 夫の学生時代からの友人M氏が住んでいて、 ニッケル鉱石関係の会社に勤務、 今年の三月末には退社して帰国するという。 今が最後のチャンスと、 往復の飛行機とホテルでの一週間の滞在の他はフリータイムの設定で出かけた。 深夜なのに、 M氏がホテルで迎えてくれ、 ミネラル水から、 ちょっとした生活用品、 現地通貨(パシフィックフラン)まで渡してくれる。 一フランは約一円だが、 物価は日本より三割ほど高い。  ニューカレドニアの地名が日本で知られるようになったのは、 昭和四十年、 森村桂(かつら)のエッセイ 「天国にいちばん近い島」 によると言っても過言ではない。 森村さんは子どもの頃、 父親から聞いた 「明るくて、 あたたかく、 人々は優しく、 神様に好きなだけ会える、 天国に最も近い島」 への憧れを持ち続けていた。 たまたま人づてに聞いたニューカレドニアこそが、 父親(十九歳で死別)の言っていた島だと直感、 苦心の末に鉱石運搬船に乗せてもらう。  その顛末を天真爛漫に書いた本は、 当時のモーニングショーにも取り上げられ、 一躍ベストセラーとなった。 これを原作に、 昭和四十三年から一年間放映された朝ドラ 「あしたこそ」 では、 藤田弓子が演じた。 南半球なので真夏なのだが、 日本の初秋の爽やかさだ。