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切り抜き詳細
発行日時
2013-2-7 10:25
見出し
想像し決断する訓練を
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3429
記事詳細
高浜原発から50キロ圏内のPPA (屋内退避及び安定ヨウ素剤服用対策の準備エリア) にあり、 原子力災害の危険性とその対策が求められている丹波市でこのほど、 原子力防災に関する市民向けの講演会と、 市職員向けの研修会があった。 市民向けの講演会は東日本大震災の被災地を取材した新聞社デスクが、 研修会は大学院教授が講師を務めたが、 いずれも末端自治体の市や市民に 「想定外への対応」 を求めるものだった。 新聞社デスクは、 「大事なのは基礎自治体の力。 (東日本大震災時に) 国、 県の指示を待った自治体は何もできず、 住民に不安を与えるだけだった。 もはや事故は起きるものとして議論し、 訓練しなければならない。 キーワードは 『柔軟性』 だ」 と指摘した。 大学院教授は、 「大事なのは、 『発電所は大事、 でも国民はもっとも大切』 という視点だ。 もう 『ありえないなんてありえない』 社会。 想定外に備えるのが原子力防災だ。 シナリオに沿った訓練をしていても意味がない」 と警鐘を鳴らした。 まさに自治体が、 市民が、 自らで考え、 行動する力が求められているのを感じた。 体を動かし、 技術を高める訓練は、 繰り返しで習得できる。 だが、 万が一の時に、 最善の策を短時間で判断する訓練は、 そうできるものではない。 求められるのは、 想像力と準備。 想定内を越えた、 現実にあってほしくない状況を想像し、 最善と思われる策を出す訓練が必要だ。 「原因不明の火災が発生。 異臭はないが、 数人が倒れている」 といったよく分からない想定で、 現場に対応しながら詳細を徐々に明らかにしていくような訓練が必要ではないか。(芦田安生)