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切り抜き詳細

発行日時
2013-1-27 9:09
見出し
丹波市消防本部・ポンプ車配置は1台 訓練発揮できず
リンクURL
http://tanba.jp/modules/topics/index.php?page=article&storyid=6387 丹波市消防本部・ポンプ車配置は1台 訓練発揮できずへの外部リンク
記事詳細
 昨年、 丹波市内で発生した火災件数は13件で、 丹波市消防本部 (当時・氷上郡) が発足した1980年以来、 最少だった。 しかし、 同本部が配置する消防ポンプ自動車は1台だけ。 全国的に見ても、 離島や人口3万人程度の小さな自治体レベルの台数にとどまり、 初期消火のほとんどを消防団がカバーしているのが現状だ。 過疎化が進み、 消防団員の確保が難しくなりつつある中で、 同本部の充実と消防団活動とのバランスをどうとっていくか、 議論を深める必要が出てきそうだ。 ◆離島なみの台数  同本部が配置している車両は、 消防ポンプ自動車1台、 化学消防自動車1台、 救助工作車1台、 指揮車1台、 救急車6台。  本部発足時は2台でスタートしたが、 1998年度に、 うち1台を廃車し、 工場火災などに対応できる化学消防車を導入。 普通火災時に出動するポンプ車は補充せず、 99年度から1台だけとなった。  全国消防長会がまとめた 「平成24年版消防現勢」 によると、 全国791消防本部中、 ポンプ車が1台なのは11本部。 離島を含め、 小さなまちが多く、 面積が丹波市より少し広い広島・安芸高田市でも、 人口は約3万2000人程度だ。 ◆救急メーンの歴史  市消防本部は、 発足当初から救急に重点を置き、 消防団と役割分担してきた歴史的経緯がある。 同本部は救急車6台を配置。 ポンプ車とは対照的に、 類似団体の中でも充実した消防本部と言える。 駐在所の運用などで救急車の現場到着平均時間は7・6分。 全国平均の8・2分を上回る。 一方で、 ポンプ車が柏原町母坪の本部から出動すると、 放水開始までに平均で15―16分かかる。 消防と救急では、 装備に極端な隔たりがあるのが実態だ。  国が示す消防力の整備指針にあてはめると、 丹波市内には32台のポンプ車が必要となる。 同本部が1台を保有し、 残る31台を消防団がカバーしている。 火消しの“プロ”が現場到着するころには、 「消防団のおかげで火が消えていることがほとんど」 (同本部) という。  木造火災において火に最も勢いが出る 「最盛期」 は10分以内。 最も危険な時間帯を“アマチュア”が担っていることになり、 消防本部からすれば、 「消防団にお世話になるばかりで、 日ごろの訓練と、 装備が発揮できていない」 のが本音だ。  少しでも早く現場に駆け付けようと、 現場近くに消火栓があることを期待し、 山南救急駐在所や山東出張所から救急車にホースと筒先を積み、 火災現場へ急行することもある。 だが、 現場近くに消火栓がなく、 「火事場に救急車が何をしに来たのか」 と付近住民から非難されたこともあったという。 ◆吏員人件費ネック  仮に救急車と同様、 山南救急駐在所と山東出張所にポンプ車を配置すると想定すると、 ネックとなるのは1台3000万円近くする高額な車両代よりも、 人員にかかる人件費といわれている。 通常、 火災出動時には5人が乗り込むことになっており、 仮の想定でいけば、 10人以上の増員となる。  現在、 同本部の消防吏員数は74人。 人口、 面積でみる類似団体と比較すると、 20人近く少ない。 仮にポンプ車2台、 10人増員したとしても、 数字の上ではごく平均的な本部のレベルだ。  一方で、 市は第2次定員適正化計画 (2011―15年度) に基づき、 職員総数 「600人」 に向けて削減を進めている最中。 市総務部は、 「消防車を増やすという話があれば、 その必要性、 財政状況、 全体の職員の状況などを見ながら、 その都度協議する」 と話す。 消防職の人員は 「維持」 の方針だ。 ◆消防団は不可欠   火災現場の最前線に立つ消防団。 県内でも4番目に多い、 約2100人の団員と31台のポンプ車、 さらに58台の積載車が火災に備える。 合併後、 サラリーマン団員の増加などに対応するため、 「丹波市消防団活性化の基本方針」 を策定。 2696人だった団員定数を、 2011年4月から2161人に、 15年4月からは1706人まで減らす。  市消防本部は、 「大規模災害や山火事などの際には、 消防団は不可欠。 ただ、 日常の火災においては本部にもう少し車両と人員があれば、 団員のみなさんの負担を減らすことができる」 と話す。  長い歴史の中で、 地域に根付いた消防団だが、 近年、 自宅から遠い所に勤務するサラリーマン団員の増加、 若者の地域貢献に対する意識の希薄化、 親が息子の入団を拒むケースまであり、 定員確保がやっとの時代。 「事前に日が決まっている訓練でも“幽霊団員”が目立つ。 急な火事の際にはどれくらいの団員が集まるか不安」 と漏らす団員もいる。  市は、 5人乗りの普通積載車への更新や、 水槽付車両の導入など消防団の資機材充実を進めている。 担当の生活部は、 「改革の途中であり、 団員が1700人まで減った時に、 どんな影響がでるかを見る必要がある。 大規模災害に備える意味では、 身近な人たちが助けに来てくれるという安心感、 情報収集力は不可欠。 ただ、 どうしても団員が集まらないという時期が来れば、 本部機能を充実せざるをえない状況になることは十分考えられる。 バランスが大事だろう」 としている。