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切り抜き詳細
発行日時
2013-1-20 9:02
見出し
歌人、竹村公作さん
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3411
記事詳細
春日町の歌人、 竹村公作さんが 『ビニールの薄い手袋』 と題した第6歌集を角川書店から出された。 明快で、 それでいて陰りを帯びた竹村さんの歌。 印象に残った歌を拾ってみる。 ▼ 「たまりたる新聞紐で括りおり過去はきっちり縛っておかねば」。 私たちが、 過去から呼び戻す思い出のうち90%が嫌な記憶だそうだ。 うれしかった思い出、 楽しかった思い出よりも、 傷つき、 憎しみを覚えた思い出の方が心に深く刻まれるということだろう。 ▼うつを患った医学博士、 高田明和さんは 「過去は思わず」 という言葉を自分に言い聞かせた。 言霊 (ことだま) のような力があるというこの言葉にも救われ、 うつが治った (『元気が出る禅の名言』)。 嫌な思い出がよみがえると、 再び我が身が傷つく。 やはり、 過去はきっちり縛っておかねばならぬ。 ▼ 「大型のバスのうしろについてゆく前のことなど何も分からぬ」。 昨年末に誕生した安倍政権は、 経済回復に公共事業を打ち出している。 経済界では、 安倍政権の政策に歓迎ムードのようだが、 公共事業と財政赤字のジレンマにどう決着をつけるのか。 ▼1997年のニューヨーク・タイムズにこんな見出しの記事が載った。 「日本の破産への道は公共事業によって舗装されている」。 安倍政権という大型バスについてゆく私たち。 前が見えぬ。(Y)