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切り抜き詳細

発行日時
2012-8-12 8:59
見出し
“幻の名茶”の原木を訪ねて
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3268 “幻の名茶”の原木を訪ねてへの外部リンク
記事詳細
 中国福建省の武夷山に幻の名茶 「大紅袍 (だいこうほう)」 の樹齢400年の原木を訪ねた。 世界遺産の奇岩切り立つ山峡を、 金木犀や沈丁花の香気を感じながら数時間。 急勾配の長い石段を一気に登った先のやや開けた所から、 岩肌にへばりつくように4本の濃緑の木々が垣間見えた。 ▼摘むのは6年前から禁じられているが、 日本で言えば人間国宝の茶師、 劉宝順さんが、 温湿度や日照、 水はけなど条件の整った谷間の茶畑に挿し木をし、 見事に蘇らせた。 ▼大紅袍など岩茶 (がんちゃ) は岩に根を張って成長する。 深山の岩の養分が周囲の植物と呼応し合って岩韵 (がんいん) と言われる独特の味と香りを醸し出す。 血行を良くするなど様々な効果が古くから認められ、 仙薬として歴代の皇帝に献上された。 ▼国外不出だったこの茶に魅せられ25年前、 東京に 「岩茶房」 を開いた左能典代 (さの・ふみよ) さんが、 以来毎夏、 客らを連れてツアーに出かけ、 延べ1千人が日中交流の機会を得た。 筆者も今回、 篠山の姉妹店 「丹波ことり」 の柴田咲美さんの誘いで参加。 ▼劉さんの研究所で味わった岩茶は身体をふわーっと浮かし、 「茶に酔う」 感覚を初めて知った。 250メートルの一枚岩 「天游峰」 を真直線に登り、 へとへとになった身体をほぐしてくれたのも、 やはり岩茶だった。 (E)