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切り抜き詳細
発行日時
2012-7-22 8:54
見出し
権威失墜の時代
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3248
記事詳細
私事ながら先日、 丹波警察署で署員の方々に話をする機会をいただいた。 当方で考えさせてもらったテーマは 「警察官の権威」。 戦後、 権力が否定される風潮の中、 権力とは意味の異なる権威も一緒くたにされ、 否定する傾向が強まった、 との話から始めた。 ▼社会学の定義によると、 権威とは 「複数の人間から自発的で盲目的な服従を引き出す力」 のこと。 人々をして自ら従わせる力をいう権威は、 一つに地位に由来するものがある。 肩書、 職種、 家柄などだ。 ▼もう一つに、 個人の属性に由来するものがある。 人間としての魅力、 識見、 技術、 特異な能力などだ。 「あの人は人間性が豊かだ」 「あの人の能力は卓抜している」。 こうした評価が多くの人の間で高まると、 従う人々も同時に増え、 権威を持った存在となる。 ▼現代は権威失墜の時代だ。 その現れとして、 教育や医療の現場で、 理不尽な要望をつきつける人々の行動が社会問題化している。 権威失墜は警察官も同様らしく、 パトカーを壊すなどの公務執行妨害が昔と比べて増えたらしい。 ▼こうした権威失墜の波にいかに抗するか。 権威の源泉の一つである地位の力が弱まった今、 個人の属性である人間的魅力や識見、 能力を磨き、 高めるよう努めるしかない。 もちろんこれは、 警察官だけにとどまる話ではない。(Y)