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切り抜き詳細
発行日時
2012-7-12 11:02
見出し
誇りと愛郷と
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3235
記事詳細
篠山に来て、 一番初めに悲しいと感じたことは、 年月を経た山桜が切り倒されたことだった。 そのとても大きな山桜は、 篠山に来たばかりで知り合いの一人もなく心細い毎日を送っていた私と幼い娘たちに、 そっと優しい桜雨を降らせてくれた。 その美しさと力強さと包容力に、 さみしい心がどれだけ慰められたかしれない。 考えられないほど長い時間をかけて成長し、 それこそ数えきれない人たちを楽しませてきてくれたその山桜が、 ある日ものの数分で 「生」 をあっさりと断ち切られてしまった。 その土地にはコンクリートが張られ、 たった1カ月ほどで家が建った。 そのやるせなさに、 自分でも驚くほど心が痛んだことを覚えている。 その心の痛みは、 木だけに限らない。 美しい田園風景の中、 人間の欲を満たすためだけに機能性だけを追求した無機質で傍若無人な建物が突然出現する時も、 歴史の面影と時代と郷愁を詰め込んだような古い建物が一瞬で壊されてしまう時も、 美しい緑の山に冷たくそびえ立つ鉄塔が現れる時も、 痛かった。 その土地を愛すれば愛するほど、 勝手ながらこの美しさがいつまでも変わらないでほしいと願う。 それはこの場所に対する自分自身の誇りである。 時代の流れには逆らえないのかもしれないが、 それでも、 もう決して、 同じ木を同じ自然を同じ環境を、 それを壊した私たち人間には二度と作ることはできない。 誇りと愛郷はどこにも売られていない。 お金で買えないものもある。 (土性里花・グループPEN代表)