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切り抜き詳細
発行日時
2012-5-11 14:35
見出し
足立さつきさんデビュー25周年インタビュー
リンクURL
http://tanba.jp/modules/info/index.php?page=article&storyid=7
記事詳細
国内外に多くのファンを持つソプラノ・オペラ歌手、足立さつきさん(丹波市春日町出身)が1987年に「椿姫」でデビュー以来、25周年を迎えた。各地で記念リサイタルを開く一環として7月8日、地元丹波でも丹波の森公苑ホール(丹波市柏原町)で「ふるさとに響く」と銘打って公演する(丹波新聞社など後援)。これまでをふり返っての思い出や、これからの抱負について聞いた。(小田晋作) 足立さつきさんは柏原高、武蔵野音楽大卒、同大学院修了。ミラノに2年間留学。「夕鶴」モスクワ公演ほか様々なオペラに出演し、清冽な声と華のある舞台姿が講評を博している。 丹波の森公苑での公演は7月8日(日)午後2時開演。前売り2000円(当日2500円、全席自由)。チケットは丹波の森公苑(0795-72-2127)、たんば田園交響ホール(079―552-3600)、丹波新聞社(0795-72-0530)で発売中。 -1986年にニッカ椿姫新人賞のコンクールで優勝され、翌年初舞台を踏まれた頃の思い出を。 さつき 「椿姫」は真実の恋に目覚めた娼婦が、最後は恋人に看取られながら死んでいくという悲劇です。主役のヴィオレッタはソプラノの頂点と言っていいくらいの大役で、ぽっと出てきた私がこなすのは大変。指揮者や演出家の言われるまま無我夢中で稽古しました。第1幕の華やかな所、人間的な愛憎を要求される所、悲しさを表現する所と、声の種類もたくさん出さなければならず、ただがむしゃらに向かっていました。 勿論緊張しましたが、だんだん役にのめり込んで、死んでいく場面などは気持ちが良いほどに乗っていましたね。 ―それから文字通り脚光を浴びて、環境も激変した。 さつき ちょうどバブル景気のまっただ中で音楽界も非常に活況だったんですね。次々に仕事が舞い込んできて、身体がいくつあっても足りないくらい。疲れている暇もなかったですね。 デビューして3年、30歳にさしかかろうという頃、イタリアへの留学を決意しました。忙しいさ中で、所属していた二期会からも「すごく売れている時になぜ?」と言われたのですが、「今の生活を繰り返していたらエネルギーを蓄積する時を失ってしまう。環境を変えなければ」と思ったんです。2年間、文化庁からミラノに派遣してもらって国費で勉強することになりましたが、学生として自由に研究出来る身分になると、さて何をしたらいいのか、模索が続きましたが、あちこちの劇場を見て回り、世界一流の人たちのステージに触れるうち、「日本人のオペラ歌手として学ぶべきことを学んで帰ればいい」と開き直って、それからは楽しむことが出来ました。この留学が確かな転機になったのは確かです。 ―そしてこれまでの間には様々な山や谷があったのでしょうね。 さつき 一番の山は團伊玖磨先生との出会い。「夕鶴」の「つう」の役の打診を受け、楽譜を一音一音拝見しながら、日本語の歌詞で自分を表現できる世界を見つけたようで、まさに日本の女性歌手として演じる意義を感じました。モスクワ、ソウルなどでの公演を通して先生の音楽への思いの深さを知り、貴重な体験になりました。私にとって大きな財産になっています。 谷の方では、2005年頃から3年間ほど体調を崩した時期があります。表向きは何事もないように仕事をこなしていましたが、何だか舞台とかみ合わず、トンネルに入ったようで、なかなか気力がわいてこない。加齢に対する焦りみたいなものもあったかもしれません。長いスランプでしたね。 でも3、4年前から徐々に回復し、今はすっかり元気になりました。若い頃には何も考えずに平気でぱーっと声が出ていましたが、今は相当の工夫とケアが必要。でもその闘いがエネルギーを与えてくれる。技術で補いながら感性を高める。そういった年をとることの面白さを味わえるのも、谷を体験したお蔭です。 ―丹波との関わりでは、市民創作オペラ「おさん茂兵衛丹波歌暦」が忘れられないですね。 さつき 小学生の頃からピアノのレッスンに宝塚まで通っていた、丹波出身の中西覚先生の作品ですから、思い入れはひとしおでした。祖母が歌ってくれていた「鐘がごんごん鳴るのは」という、丹波に伝わる子守唄まで入れて下さって、打ち上げの時は泣いてしまいました。 ―5月26日(東京文化会館)、6月2日(綾部市・中丹文化会館)と記念公演が続きますが、7月8日の丹波の森公苑ホールでは何を歌う予定ですか。 さつき 前半は日本の歌。インド民話をもとに北原白秋が書き上げ、山田耕筰が曲を付けた「芥子粒夫人」は、せりふっぽい歌詞が美しいメロディーに乗っていて、とても素敵な曲です。後半はオペレッタなどの外国曲から思い出深いのを選んで軽やかに歌いたい。ほかにも、丹波の皆さんに親しまれているものをと考えています。 ―最後に、これからの抱負を。 さつき 広い舞台に響く歌い方をしてきたんですが、これからは大きな会場だけでなく、目の前のものにささやきかけるような歌い方も取り入れて、さらに表現力を豊かにしていきたい。それから、後進の指導ということも考えるようになりました。今秋から200人ほどの合唱団の練習指導を頼まれています。「万葉集」という、オーケストラと合わせると90分にもなるオリジナル曲。セミプロ級の人たちを相手に、基本を抑えながらいかに気持ちよく歌わせるか。これまでひたむきに歌ってきたのとは全く違った仕事で、挑戦し甲斐があると、楽しみにしています。