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切り抜き詳細
発行日時
2012-7-1 8:53
見出し
社会的ジレンマ
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3228
記事詳細
猫にひどい目にあわされていたネズミたちがいた。 ネズミたちは集まって相談。 「猫が来たら、 すぐに逃げられるよう、 猫の首に鈴をつけよう」 という名案が出た。 では誰が猫に鈴をつけに行くのか。 その役を買って出る者はいなかった。 ▼ご存知、 イソップのお話だが、 これは 「社会的ジレンマ」 という考えに通じるらしい。 社会的ジレンマとは、 「人々が自分の利益や都合だけを考えて行動すると、 社会的に望ましくない状態が生まれるジレンマ」 (山岸俊男氏著 『社会的ジレンマ』) をいう。 ▼ネズミは、 猫に鈴をつければ事態が改善するとわかっていながらも、 わが身の安全という目前の利益を優先したため、 事態は変わらず、 悪いままだった。 この社会的ジレンマの図式は環境問題にも当てはまる。 ▼電力を無駄に消費する暮らしは、 環境にとって決して好ましくないことは理解している。 しかし、 エアコンは28度よりも低い方が快適だと、 必要以上に温度を低くする。 自分の快適さや便利さを求めた積み重ねが、 環境問題をいっそう深刻化させた。 ▼この夏、 計画停電が浮上した。 もし実施されれば、 各分野に影響を及ぼし、 私たちの仕事や暮らしを直撃することは必至だ。 そのことがわかっていても、 必要以上の快適さを求めるか。 節電に努めるしかない。(Y)