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切り抜き詳細
発行日時
2012-6-24 8:57
見出し
誇るべき国民性
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=3223
記事詳細
恥ずかしい話だが、 「五月晴れ」 とは今頃の晴れ間であることを最近になって知った。 さわやかに晴れ渡った5月の空も五月晴れだが、 この五月は陰暦五月のこと。 今とほぼ1カ月ずれているので、 もともとは今頃の、 梅雨の間のつかのまの晴れ間を五月晴れと言ったようだ。 ▼五月晴れには、 晴れ間を喜ぶような語感がある。 晴れ間がうれしいのは、 じめじめとし、 心も体もどんよりとする梅雨だからだろう。 「五月雨は腹の中まで腐らせる」 という言葉がある。 五月雨とは梅雨のこと。 梅雨という季節は、 どうも気がめいるものだ。 ▼四季がはっきりしている我が国だが、 四季が明瞭とは、 夏と冬の気温差が大きいということ。 それは、 梅雨も含めて、 気候条件が厳しいことであり、 「日本は実は、 過酷な生存環境にある」 と、 養老孟司氏はいう。 そんな厳しい環境の中で、 我々は我慢強さを養ったとも指摘する。▼「おのれを虚(むな)しくして、何事も辛抱我慢すること。 …この真理を、 日本人ほどあまねく会得している国民はほかにないだろう」 と書いたのは、 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンだ。 我慢強さは日本人の誇るべき国民性だと、 ハーンは言った。 ▼梅雨が明ければ、 本格的な夏を迎える。 今年も節電の夏だ。 先祖の我慢強さを引き継いでいるかが試される。 (Y)