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切り抜き詳細
発行日時
2018-3-6 13:11
見出し
方言の力
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=5261
記事詳細
先日発表された第一五八回芥川賞受賞作品は二作ともとてもおもしろい。文芸春秋に受賞作品が掲載されるので、毎回買ってきて読む。芥川賞はいわゆる純文学、対して直木賞は娯楽小説というのが従来の基準。しかしこのところ芥川賞が今ひとつつまらなかった。 今回の芥川賞受賞作品「おらおらでひとりでいぐも」の若竹千佐子氏と「百年泥」の石井遊佳氏は、ともにデビュー作だというのに驚いた。若竹氏は六十三歳で岩手県生れ。題も東北弁で、内容も七十四歳の老婆が頭の中で東北弁の自問自答を繰り返すという筋。しかし、それまで彼女が過ごしてきた人生の悲喜こもごもが伝わってくる。これはひとえに方言の力だと思う。 私も故郷を出て五十年以上過ぎたが、毎月句会で帰った時に聞く丹波弁にホッとする。丹波よりは少し温暖な土地に住んでいるが、今年はよく雪が舞う。そんなとき「今日は朝から雪がプイプイしとるさかい、ぬくうして出かけないよ」という母の声が聞こえてくる。「雨がピリピリ」というのは丹波弁だが、プイプイもそうなのか。もしかすると母だけの言葉?このプイプイ、使う方があれば教えて頂きたい。 さて、もう一作の「百年泥」はインドの都市チェンナイの企業で日本語を教える五十代の女性が語り手で、作者でもある。街を流れる川が氾濫して百年間にたまった泥が主人公かも。習慣、価値観のあまりに違う国にいるからこそ逆に日本語のもつ文化や歴史にあらためて気づく過程もおもしろい。言葉の力を感じさせられる今年の芥川賞だった。