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切り抜き詳細

発行日時
2017-3-5 18:00
見出し
金柑と生姜糖
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4922 金柑と生姜糖への外部リンク
記事詳細
 柏原の厄神祭が過ぎ、丹波も少し春めいてきたことだろう。今年はいつもの露天商の出店がなかったとか。少し寂しいながらも商工会の獅子奮迅のもと、地元の物を見直すことにもなり、これからの祭のあり方を再考するきっかけにもなったのではと思う。  子どもの頃住んでいた家は西市庭に面していたので、見世物小屋の声が響き、厄神さんの間中賑やかだった。厄除け甘酒饅頭が朝から晩まで家の前で湯気を立てていた。祖母が泊りがけで、従兄妹たちも来るので一番楽しみな祭だった。  財布を握りしめて買いたいものを探す。必ず買ったのが、金柑と生姜糖だった。金柑は生で赤いネット入り。生姜糖は薄切りの生姜を煮て砂糖をまぶしたもの。そして鯛焼きに綿菓子。おもちゃを買えるほどの小遣いはなく、大体これだけ買うと財布の底は尽きた。その頃の味覚の名残か、今年はやたらに金柑を食べている。昔みたいに生のままではない。まずはヘタを切り十字の切り込みを入れ二度茹でこぼしたあと、砂糖だけで煮詰める。義母の好物で「これを食べるとあと口がすっきりする」とよく言っていた。確かにその通りだ。近くのコンビニに野菜と果物を置いていて、金柑が時々並ぶ。一袋に三十個入って三百円。見つけると必ず三袋買う。甘露煮がまだあっても、冷蔵庫の野菜室にキープしておく。こういうところは母に似てきた。夫のタイ土産の甘くて辛い生姜茶を飲むたび、生姜糖を懐かしむ。どちらも厄神さんにつながる味で、どうやら幼児帰りしているらしい。