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切り抜き詳細
発行日時
2017-1-12 18:38
見出し
9次元
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4861
記事詳細
年が明けまた冥途が近づいた。と思うにつけ、自分の住む宇宙がどうしてここにあり、これからどうなるのか、ますます気になってくる。▼138億年前、ビッグバンで始まり、今もどんどん膨張していることは定説だが、現在の科学の智恵を結集しても、宇宙にある物質ではっきりしているのは5%だけ。目に見えない形で支配している「ダーク(暗黒)物質」、「ダークエネルギー」と呼ばれるものの実体は全くわからないとか。▼日本科学未来館(東京)で観た3D映画「9次元から来た男」は、謎解明のカギを握るこの男を科学者達が追跡するという話だったが、いつもスルリと身をかわされる。凡夫には見当もつかぬ「9次元」。95%の「ダーク」とは、そういう世界らしい。▼ビッグバン直前は原子核より小さかった宇宙を知る重要な手がかりとして、原子核よりさらにさらに小さい素粒子を加速器なる装置で再現すると共に、超高性能の望遠鏡の観測と組み合わせる手法、つまり「宙と粒の統合」がクローズアップされている。ノーベル賞で脚光を浴びた「カミオカンデ」も、そこにつながる。▼かくして、「9次元」の輪郭がおぼろげにわかってくるのもそう遠くないとの期待もある。だがその前に冥途に行くに違いない筆者は「ああ、ここやったんや」と気付くのかも。(E)