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切り抜き詳細
発行日時
2016-12-5 19:29
見出し
オンリーワン
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4833
記事詳細
植野記念美術館で今、開かれている「丹波美術大賞展特別展」で、「青垣2001年日本画展」の過去の大賞作品が展示されている。同日本画展は、選抜展や特別展を除くと計19回催された。▼1回目は1987年。全国21都府県から188点の応募があり、会期中の1カ月間、8000人近くが鑑賞に訪れた。同美術展がユニークだったのは、40歳以下の年齢制限を設け、若手作家に限った点。日本画家の登竜門となる全国公募展を町村レベルで催したことに注目が集まったものだ。▼日本画展を仕掛けた足立宏之氏からその頃に聞いた話が記憶に残っている。「ナンバーワンではなく、オンリーワンをめざしたい」。ナンバーワンは順位であり、いくらトップに立っても、取って代わられる恐れがある。あくまでも相対的なものだ。対してオンリーワンは、たった一つの独自のものであり、その座は揺るぐことがない。絶対的な価値がある。▼今は亡き足立氏がオンリーワンのまちづくりを目指された背景には、若年層をはじめとした人口減少、地域活力の低下など、衰退する町への危機意識があった。▼1回目の開催から30年。丹波地域全体に危機意識は広がり、深まっている。日本画展はすでに終わったが、オンリーワンをめざすまちづくりの方向性は今も通用する。(Y)