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切り抜き詳細

発行日時
2016-10-16 9:00
見出し
寂聴さんの講演
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4779 寂聴さんの講演への外部リンク
記事詳細
 日本ペンクラブの京都例会に久しぶりに出席した。講演が瀬戸内寂聴氏とあるのに、まず魅かれ、その後の懇親会が、有栖川宮邸というのに、ミーハー魂全開。有栖川宮というと、二〇〇三年に起きた結婚詐欺事件を思い出す方もおられるだろう。宮家の末裔と名乗る男の結婚式ということで、四〇〇人の祝儀をだまし取った事件。有栖川家は大正十二年に後継ぎが絶えていて、現在は東京に有栖川記念公園、そして京都にこの邸宅(現在は平安女学院有栖館)が遺されているのみで、末裔というのはあり得ない話。皇室びいきの日本人ならひっかかりそうな話だ。当時の本欄に「ペテン師」として書いた。興味のある方は本紙ホームページのアーカイブで。  さて、車椅子で登場した寂聴氏、会場に入るやすっくと立ち「寂聴でございます。九十四歳になりました」と、実に若々しい声。演題は「書くために生きた」で、約一時間立ったまま話された。一昨年の病気のとき「書けないなら生きていても仕方ないと、一時は死にたいと思ったけど、なかなか死ねないのよ」などと、会場は笑いに包まれる。そして、作家としての人生では、初期に文壇から叩かれたことが良かったこと、これからは「書くために生きる」と力強くしめくくられた。  三日後、某新聞連載の鷲田清一氏の選ぶ「折々の言葉」欄に、「一〇〇冊の本を読むより、一回の恋愛。瀬戸内寂聴」が載った。「生きることは愛すること」と言う寂聴さんらしい名言。今の若者たちに伝えたい言葉だ。