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切り抜き詳細

発行日時
2016-9-4 9:00
見出し
サシモグサと藤原実方
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4734 サシモグサと藤原実方への外部リンク
記事詳細
 先回、ヨモギの血止め効果について書いた。  ヨモギは日本に自生の植物、春のやわらかなときは草餅、また天ぷらにしてもいい。灸の材料でもある。灸と言っても今の若い人には分からない。私の世代の人なら親から「言うこときいてやないと、灸すえるで」と脅し文句を言われた経験があるのでは。おねしょにも効くとかで、兄がよくすえられていた。私は泣き叫ぶ兄が哀れで「かわいそうやさかい、やめたげて!」と一緒にそばで泣いていた。それはきっと、母の怒りの表情が怖かったからだろう。一方私は灸がそれほど苦にならず、父母がすえ合っていると「私にも小さいやつでええさかいすえて。怖い夢見んとよう寝られる」などと、ややMっぽい発言をしていた。だから私が悪いことをした時は灸ではなく、長持に押し込められていたのだ。  さて、このヨモギ、古来から「サシモグサ」と言う名前がある。百人一首に「かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを」があり、藤原実方朝臣の作。彼はなかなかのプレイボーイだったとか。幼い時から覚えてはいたが、意味はよく知らなかった。  「私があなたを恋している深さは、このように口に出して言うことができないので、それほどの思いをあなたはご存じありますまい。私の燃えるような思いを」という意味。「掛け言葉を駆使した技巧的な歌」と解説に。ヨモギのような地味な草で、なぜ燃ゆる思いかと解説を読んだら、思ひの「ひ」は「火」なんだとか。あー、昔の恋はじれったい。