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切り抜き詳細

発行日時
2016-5-19 9:05
見出し
翡翠色の思い出
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4629 翡翠色の思い出への外部リンク
記事詳細
 この季節に必ず思い出す風景がある。ザルに山盛り入ったエンドウを、祖母がパコッ♪シャーと指で押し広げると、翡翠色の艶々と並んだ豆がポコポコと顔を出す。横で一緒に座ってポリポリと豆を引っかき出しながら「今日も豆ごはん?嫌やなぁ~」と言う幼き母ちゃん。小学校の給食でグリンピースとむきエビの和え物が出た時なんて、逆流するのを堪えて飲み込み、残すのを許さない先生を心底憎んだ記憶がいまだ鮮明に甦る。  食べることにマメだった祖母は、小豆があればこし餡を作り、おはぎを近所に配って歩いていた。が、小さい頃の母ちゃんは、どうも餡子でさえも、あの微粒子が口に広がる感覚や、ましてや実エンドウの皮のザラリと残りながら青臭さまでも広がるのにはグエ~ッと気持ち悪かった。  ところが、ホント勝手なもので、丹波に来て、豆類の美味しさにはビックリ。粒餡も食べられるようになったうえ、この時期の豆ごはんは、もうオカズ要らず♪何よりも、子どもたちと一緒にペチャクチャお喋りしながら豆を剥いて、炊き上がった豆ごはんの土鍋の蓋を開けた瞬間のフォワ~と立ち上がる湯気の中で「美味しそーっ!」と、みんなで歓声を上げる喜び。そして一緒に食卓を囲みながら、少し塩気のあるご飯と共に口に広がる優しい、若い、甘い、幸せな春の味を堪能。それなのに、口いっぱいに頬張る笑顔を見ながら、やっぱり大嫌いだった豆ごはんの風景を思い出し、微妙な気分になるんだな~。 (古谷暁子・ブルーベリー農家)