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切り抜き詳細

発行日時
2016-5-12 10:31
見出し
佐々木良作
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4625 佐々木良作への外部リンク
記事詳細
 御母衣ダムの湖底に沈む運命だったのを2百㍍上の川岸まで引き上げられた樹齢5百年の荘川桜(岐阜県高山市)。4月7日号本欄に書いたのを、下旬に金沢行きの途次、訪れた。▼繚乱と咲いていた。高速道を降り庄川沿いをうねうねと上った所。電源開発総裁だった高碕達之助氏が2つの寺で出会ったアズマヒガン2本が、添え木に支えられながらも、やや白目のボリュームある花びらを紺碧の川面にたなびかせている。標高7百㍍、「例年、青森の弘前城より1、2日遅いんです」と地元の人。▼しばらく付近をぶらついた後、ダム正面に電源開発が作った記念館を訪ね、記録映画を観る。高碕氏のほか、難しい移植の相談を受けた神戸の“桜博士”笹部新太郎氏、豊橋の造園職人、丹羽政光氏らが写っていた。▼そしてもう1人、見覚えある顔は若き日の佐々木良作氏(後に民社党委員長、兵庫5区選出)。当時、電源開発の総務部長だった彼は、ダム建設反対の「死守会」員が気勢を上げる中野部落に入り込み、大演説をぶったり、どぶろくを飲みながら夜通し説得を続けた。▼曲折を経て妥協が成り、村人たちは郷里を捨てることになったが、佐々木氏とはダム完成後も長く交友が続いたという。「私の履歴書」(日経)に「水底の里も咲くらん花桜」と彼の句。荘川桜は丹波とも縁があったのだ。(E)