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切り抜き詳細
発行日時
2016-4-23 14:19
見出し
熊本地震 ひょうご防災リーダー・石田裕之さんに聞く
リンクURL
http://tanba.jp/modules/news/index.php?page=article&storyid=2495
記事詳細
4月14―16日にかけて九州・熊本地方を襲った大地震。丹波地域に暮らす私たちが「すべきこと」「できること」は何か。阪神淡路大震災を経験し、東日本大震災や丹波市豪雨災害の支援活動にもかかわってきた篠山ゆかりのシンガーソングライターで、防災士やひょうご防災リーダーでもある石田裕之さん(35)=神戸市=に話を聞いた。 「家族防災会議」開いて/義援金長続きの工夫を ―熊本で大きな地震が起きた 熊本の知り合いが被災し避難生活を送っている。家屋の倒壊を恐れて今なお車中泊を続けているらしい。心身ともに疲弊している様子に胸が痛む。大きな余震が続く中、二次被害やエコノミー症候群等の関連死がこれ以上増えないよう、市民レベルでも呼びかけることが大切だ。 ―地震が東に移動しているようにも見える 地震で断層が動くと、その延長線上の断層も連鎖的に動きやすくなると言われているが、これほど震源が広域に広がるのは過去に例がない形で、気象庁も今後の予測は難しいとしている。震源が中央構造線断層帯を東に辿っているという見方もあり、関西を含むより広範囲で用心するに越したことはない。南海トラフ地震も含め、これまで以上に防災・減災の備えが大切になる。 ―被災地での支援を行うボランティアを希望する人もいる すでにいくつかの自治体で災害ボランティアセンターが立ち上げられ、受け入れを開始した。ただ現地では今も大きな余震が続き、緊急性の高い災害救援作業が優先される。十分な準備もなくやみくもに現地入りしてはかえって二次被害に遭ったり、ガソリン切れや食糧不足などで迷惑をかける恐れもある。交通網が寸断され、土砂災害の危険も高まる被災地に、土地勘のない一般人が出向くリスクは相当大きいので、相当の事前準備と、ボランティアの心得が求められる。 ボランティアセンターの現場職員は激務に追われている。なるべく負担を減らせるよう、地元自治体の社会福祉協議会であらかじめボランティア保険に加入しておくこと等、できる限りの気遣いも支援の一つだ。 ―今、私たちがすべきことは 自分にできることは何か、各自で考え、調べることが重要。丹波地域は豪雨災害を経験したばかりであり、東北被災地の支援者も多い。そのノウハウを生かし、少し先を見据えた支援をリードしていってほしい。 一方で、支援だけでなく足元の備えも今一度点検を。被災地では水不足が深刻だが、私たちは備蓄しているだろうか。一人最低9リットルの飲料水の備蓄が推奨されている。篠山には御所谷断層、埴生断層と二つの活断層が存在する。ハザードマップを見れば丹波地域には土砂災害警戒区域や洪水の浸水想定区域も多数あることがわかる。避難経路や身近な危険箇所の確認、電話が通じない非常時の家族との合流方法など、今のうちに「家族防災会議」を開いてほしい。 ―丹波地域にいながらでも被災地の人々のためにできることは 物資の支援も有効だが、被災後の生活再建でもっとも必要なのはお金。だが義援金が集まるのは最初の数カ月がピークで、長続きしない。そこで、物資を送る代わりに、集まった物資でチャリティーバザーを開いて売上金を寄付した自治体もある。このように単なる募金活動ではなく、支援が長続きする工夫が求められる。同様に現地へ行く支援者も資金不足で活動継続が困難になることが多い。「支援貧乏」を生まないための後方支援も貴重な力になる。