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切り抜き詳細

発行日時
2016-3-24 8:44
見出し
女というもの
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4581 女というものへの外部リンク
記事詳細
 篠山には悲しい話が伝わる山がある。高城山という名前で「丹波富士」とも称される姿形の凛とした美しい山が舞台となった話である。先日、初めてこの高城山の歴史を教えていただきながら入山した。戦国時代の代表的な山城(八上城)として名を馳せている八上城跡高城山だが、私には男の人の勇ましい戦いや攻防よりも、悲しい女性たちの話が心に残り、切ない山歩きとなった。  ひとつは朝路池にまつわる話。八上城が落城した時に、愛する人全てを失った朝路姫が身を投じて命を絶ったと言われている池。あまりにも寂しいこの山の中で四方八方を敵に囲まれ、自ら死を選ぶしかなかった若く美しい姫。どんなに孤独だったことか。鬱蒼とした木立に囲まれ、落ち葉に吸い込まれるような静寂の中、姫の悲しさや恐ろしさが未だ色濃く残っている気配に、池に近づくことさえも躊躇された。今でも女性は水面に顔を映してはいけないと言われている。男たちの争いのために、山の中で過ごし山の中で死ぬことしか選べなかった女たちの念だけが、今もそのやるせなさを伝えるのか。  そして、明智光秀の母であるお牧の方が磔にされた話。太い松の木に磔にされ、下から槍で突き殺されたという。息子を信じて人質になったお牧の方はきっと、死ぬまで息子を信じていただろう。母として息子のために死ぬのだから、まだこの話には救いがある。  母、娘、姉妹、そして恋人である、これは私たち自身の話、なのかもしれない。 (土性里花・グループPEN代表)