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切り抜き詳細
発行日時
2015-12-6 8:54
見出し
思いめぐらす年の暮れ
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4470
記事詳細
「歳月人を待たず」の言葉の通り、はや12月。気ぜわしい季節の到来である。寒さもいちだんときびしくなった。この1年を振り返る忘年会シーズンでもある。 庭の草ひきをしていると、寒さが身にこたえるのに、草は元気に伸び放題。「ちぢむひと草は気にせず伸びる冬」という句も浮かんでくる。雑草は強い。人間も縮まないように、少しだけ背伸びして歩きたい。 「あれやこれニュースの波に浮き沈み」。毎日、様々なニュースと対面する。明るい事柄には、気持ちが和らぐが、暗い話題には心が沈む。良いこともあり、悪いこともあるのが世の中。平常心で過ごそうと思う。 「伝えますメールやラインに言葉乗せ」。スマートフォンが普及し、世の中様変わりの感。流行とはすさまじいものだ。ボランティアグループで、高齢者に送る絵手紙風の年賀状を書いている。今後も、便利な機器が登場しそうだが、手作りの味も大切にしていきたい。 人生は出会いと別れの繰り返し。身近な人との別れを経験した人も多かったのではないか。法事の席で、叔父(伯父)が甥(おい)に対し、「タバコをやめたら」「はよう結婚せえよ」といった言葉をかけるのを聞く。「故人に成り代わりまして」というあいさつが、葬儀などで述べられるが、「言ってくれる人があることは幸せ」とも感じる。亡くなった人がその場にいるような雰囲気になる時があるから不思議なものである。「成り代わる天の声届く仏事かな」。一句で締めるところがオンパレードになった。お許しを。今年最後の年をあわてずに。(臼井 学)