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切り抜き詳細

発行日時
2015-11-26 9:24
見出し
恥をかいて生きる
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4458 恥をかいて生きるへの外部リンク
記事詳細
 もう50歳になろうとしているのに、私は粗忽者ゆえ、まだまだ穴があったら入りたいことが多い。人はいつ大人になれるのだろうかとつくづく考える。半世紀も生きてきたのだから、そろそろ立派な大人になれても良いのじゃないかと、はかなく思ったりする。  でも、常識的で立派な人にもなりたくないと、自分のことはすっかり棚に上げて恐ろしいことに図々しくも願うのである。理由はただ一つ。常識人は実につまらないのである。新しいことを始めようというときに、周囲の目や一般常識からはずれないことばかりを第一に考えていると、なんかつまらなくなってしまい、先に進むわくわくした風船のように膨らんでいた気持ちが、しゅーっとしぼんでしまうのである。だいたい「常識」や「普通」がなんなのか、よくわからない。  太宰治が「人間失格」の冒頭で主人公に「恥の多い生涯を送って来ました」と言わせているが、家柄も容姿も賢さにまでも恵まれたこのような人でさえ恥をかくのだと当たり前のことを妙に感心した覚えがある。どんな鎧をまとっていても一介の人間なのだと大作家は私たちに教えてくれる。  恥をかきかき、汗をかきかき、一歩一歩歩く。すると、いつの間にやら陽が沈んでまた昇り、また今日も恥をかきかき、汗をかきかき、一歩一歩進む。時々後退や寄り道をしながらだけど。  そんなこんなで50年。まあ、私にしたらよくやってる。私ひとりぐらい「私」は「私」を認めてあげましょか。 (土性里花・グループPEN代表)