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切り抜き詳細

発行日時
2015-11-19 13:21
見出し
正解がわからなくとも、腹は減る
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記事詳細
 インゲン豆の収穫する手を思わず止めて、「そろそろ嫌気がさしてきたわ」とぼやくのは母ちゃん。その向こうでは父ちゃんが「これ見て!これ見て~」と叫んでいる。振り返ると、超ご満悦な顔で手にするのはドデカ級のブロッコリーにカリフラワー。  農業は同じようにしていても天候も違えば気温も変わり、土の状態、虫の発生、様々な影響を受け、農作物の生育は毎年毎シーズン違う。今年は豆年だったようで、例年になく黒枝豆が豊作。父ちゃんに「なんで?」と聞いても「わからん」と。ハウスの水菜は一度虫がひどく、全て鋤き込んだ。同じようにしても同じ答えは出ないから、その結果が出るまでが面白いそうで、つまり、収穫の段階に入ると、もう数回で十分だそう。だから父ちゃんの収穫はもう我慢の域に入ったそうだが、今年は霜がなかなか降りないから母ちゃん担当のインゲンとモロッコも相当元気で、「美味しいんやけど面倒くさ」と言いながら採っている。  その甲斐あって?今は食卓が賑やか。インゲンの肉味噌炒めのレタス包み、大根と里芋の味噌汁、カリフラワーとベーコンのペペロンチーノ、キャベツの回鍋肉…、サラダゴボウはゆがいてツナとワカメと和え、少しオリーブオイルと柚子コショウ、ポン酢を隠し味にすると大人な味に。子どものおやつは赤じゃが芋のポテチや人参ケーキ。野菜を贅沢に使える幸せ。夕飯になるといつも「やっぱ農業で正解よ」と食いしん坊一家は納得するのであった。 (古谷暁子・ブルーベリー農家)