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発行日時
2015-11-1 8:39
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いい流れを生み出して
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記事詳細
 丹波市がきょう1日、「市制施行10周年記念式典」を開く。正確には11年目となるが、昨年の豪雨災害の影響で延期していた。  過去の新聞をくってみる。  道路が川のようになった水害に襲われた直後の合併だった。山南町上滝の篠山層群で発見された化石が恐竜のものと分かり、何億年という雄大な時の流れを感じさせる大発見に沸いた。そんなころ、市内の病院は医師不足に陥り、病院に残った医師たちが地域医療を守ろうと必死で汗と涙を流した。ごみ処理場の建設をめぐっては、場所や処理方式の変更、さらには入札業者の辞退と二転三転し、時間ばかりが流れた。市職員の不正事務により、公金と情報が流れ出し、さらには、新水源の原水に含まれたマンガンが処理されないまま流出する事故が発生。昨年8月の豪雨では、山林から大量の土砂が流れ出し、大切な民家や農地を襲った。  一方で、これまでは地域への関心が薄いと言われてきた若者たちがまちを元気にしようとつながり、イベントを開催したり、市の将来を語る姿を見かけるようになった。災害を機にコミュニティFMや、森林への関心を引き出すための「木の駅プロジェクト」も大きく前進し、動き始めた。「地域の活性化」などと大上段に構えなくとも、丹波市には魅力的な人や物があり、人口減少が課題であることが肌感覚で浸透し、共有でき始めているのだろう。  これからの10年をどう描くか。式典を前にした記者会見で辻重五郎市長は「市民が夢のもてるまちにしたい」と強調した。悪い流れを断ち切り、いい流れを生み出す市制に期待したい。(芦田安生)