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切り抜き詳細

発行日時
2015-10-22 8:52
見出し
墨のにじみで独自世界 墨象系作家、西村弘道さん初個展 植野記念美術館
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記事詳細
写真・初めての個展を開く西村さん。手にしているのが「点無限」シリーズの1つ「玄点」=青垣町口塩久で  東洋書芸院同人の墨象系作家、西村弘道さん(76)=青垣町口塩久=が、10月24日から11月1日まで植野記念美術館2階研修室で個展「現代書の探求」を開く。午前10時―午後5時。半世紀を超える書道歴で初めての個展。25年ほど前から取り組んでいる前衛の作風を中心に41点を展示する。墨のにじみにおける世界を切り拓いたと評価が高い「点無限」シリーズも6点出展される。  写真愛好家で、好きな野鳥カワセミに誘われ、定年退職を機に大阪府大東市から16年前に青垣にIターンした。会社在職中から書に打ち込み、日本書道教育学会の通信教育で学び、書道専攻科を卒業した。若い頃から持つのは鉛筆より筆、といったライフスタイル。書道の教科書に載っているようなきちっとした字を書いていたが、知人に勧められ前衛書の世界に入った。  前衛書に挑戦し始めてしばらくして、おもしろいにじみができた。墨をポタリと落とすと、中心が最も濃く、にじみの先端に行くほど墨の色が薄くなるが、放射状に広がったにじみの先端が縁取りしたかのように濃くなった。西村さんは、紙と墨、墨に混ぜる成分を研究し、墨を動かす独自の技法を確立。無数の「点」だけの作品を制作し、1996年の同院記念公募展で推薦に輝いた。以後、「点無限」シリーズとして作品を発表している。  西村さん(0795・87・1833)。