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切り抜き詳細
発行日時
2015-8-27 8:20
見出し
「緑色の獣」篠山山家にて
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4358
記事詳細
村上春樹の短編で「緑色の獣」という作品がある。主人公が日頃から親しみを抱いている一本の木の根元からある日突然、人間の目を持った緑色の獣が出現し訪ねてくるという話だ。その話を読んでいるうちに我が家にも子どもたち同様、苗木から立派に育ち20年目を迎える木が2本あるなぁと考えていた。 その内の1本の楓は、まだ幼苗の頃支えに沿わせた支柱をそのまま体内に包み込んだまま立派に育ってしまった。これはただただ私たちの怠慢からの出来事だったが、気がついたときにはその支柱もろとも成長を続けている最中で取り除くことは不可能だった。今、優に5㍍は越そうかという樹に育ち、夏には涼しい木陰を作ってくれる佇まいの優しい樹だ。ちょうど西日が指す窓に葉陰から射すきらきらした木漏れ陽が美しく映り、風に揺れて目を閉じていても感じられるその控えめな光が、真夏に涼を運んでくれる。もう一本の木は団栗の木で、滋賀県は琵琶湖の湖畔から篠山にきた子である。水辺生まれのはずが、すくすくとこんな山家の家でこちらも大きく育ち、今では2階の窓を席巻している。良い土ではないのに手入れもあまりされないのに、木というものはこんなに大きく育つものなのだと改めて感心する。 もし、この木から緑色した獣が出てきたとしたら私になんて言うだろう。「良い時期に自立させてくれないから(支柱そのまま)僕は野放図にそだってしまいましたよ」とぼやかれそうな気がする。反省反省。 (土性里花・グループPEN代表)