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切り抜き詳細

発行日時
2015-7-30 10:35
見出し
そこに山があるから
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4330 そこに山があるからへの外部リンク
記事詳細
 御嶽、小金ヶ嶽、峠山、筱見四十八滝、八ヶ尾山、金山、黒頭峰、夏栗山、火とぼし山、音羽山、松尾山、虚空蔵山、弥十郎ヶ嶽、そして高城山。20年前、篠山に引っ越してきた頃は、山はただの山だった。20年経った今、山には名前が付いていることを知った。  山に登る日はいつもより早く目が覚める。夜中に何度も目が覚めて時計を確認する。なかなか明けない夜にやるせなくため息をつく。日が昇ると早速起き出し、炊きたてのご飯で大きなおにぎりを2個握る。山に入ると、どういうわけかお米が美味しい。どでかいご飯のかたまりに大口開けてかぶりつきたくなる。  汗をかきながら、一歩一歩確実に足を運び、時には岩をよじ登る。篠山の山はよく手入れがされていて、歩きにくい場所には、鎖や紐、時には階段が作られ整備されている。地域の方たちが定期的に山に入り作業してくれているのだろう。人の優しさがあちこちに感じられてほっとする。  頂上から360度眺望が開けているのも嬉しいけれど、鬱蒼とした木々や霧で眺めがさえぎられていても、それはそれでいいものだ。目で見るだけではなく肌に直接感じる新鮮な空気と、空と自分の近さが感じられるだけでも十分満足する。  今朝も出勤する車の中から山を見上げ、いつでもそこでどっしりと動かずに待っていてくれる山を憧れの目で見つめる。「山がそこにあるから」。その気持ちがわかるようになるとは夢々思わなかった。人生とは実に面白いものである。 (土性里花・グループPEN代表)