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切り抜き詳細

発行日時
2015-6-25 8:44
見出し
味わい深き、古建具
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4293 味わい深き、古建具への外部リンク
記事詳細
 「私のセンスも捨てたもんじゃないやん♪」の一言に苦笑いの父ちゃん。明治生まれの祖父母と同居していた母ちゃんには「古いもの=味があって趣があるもの」が刷り込まれており、今回、家を建てるに際し、使ってほしいものがあった。それは2年程前に地区の古い集会所が取り壊される際、区民優先で欲しいものを頂けると聞き、惚れ込んで持ち帰った元集会所の玄関扉、ガラス戸や障子が入ったたくさんの古建具たち。  土壁が丁寧に塗り終わり、土間にはおはじきや小石が散りばめられた遊び心も満載な左官仕事が終了。今度は建具屋さんがバトンを受け、大小様々なカンナやヤスリ、彫刻刀のようなモノをずらりと並べ、何度も何度もカンナ掛けをし、建具に鮮やかな木目が広がる。大げさかもしれないけれど、取り壊されて、もう形を失っていたかもしれない古建具に命が吹き込まれ、紙屋さんに新しい障子紙を張ってもらい、今度は私たち一家の生活を包んでくれる大切なものへと新しく生まれ変わったかのように感じた。それでも時を刻んだ趣きを失うことなく、真鍮の取っ手や所々に残る古びた傷すらアートに見える。  納まるべき所に納まり、しっくりした雰囲気に、心配していた父ちゃんもご満悦。長年、大切に使ってこられた建具たち。縁あって頂いたもの、大切に使わせていただきたいと思う。が、「調子に乗って古いものを拾うこと、貰うことはもう禁止」と強く父ちゃんから釘を刺された。  (古谷暁子・ブルーベリー農家)