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切り抜き詳細
発行日時
2015-6-21 8:44
見出し
コピ・ルアク
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4290
記事詳細
映画好きと自負する人ならご存知の「かもめ食堂」という映画。フィンランドのヘルシンキで日本食のレストランを開いた女性と、そこを訪れる人々とのゆったりとした交流やちょっとした事件を描いた作品。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、という超個性的な女優のかもしだす雰囲気は独特。監督は萩上直子で、女性ならではの細やかな視点がいい。二〇〇六年の作品だが、何度見てもおもしろいという根強いファンも。 この映画の一場面に出てくるのが「コピ・ルアク」という、コーヒーをいれる時のおまじない。主人公の店の元の持ち主が客としてやってくる。コーヒーを注文して飲んだ後、もっと美味しいコーヒーをいれると言って台所に立つ。コーヒーに軽く指を入れ「コピ・ルアク」とつぶやく。これは単なるおまじないだと思っていた。ところが、四月にバリ島から帰ってきた夫が「高かったけど珍しいコーヒーを買ってきた」と差し出す。何とそれがコピ・ルアク。 コピとはインドネシア語でコーヒーのこと。ルアクはマレージャコウネコのこと。木で熟したコーヒーはチェリーのような赤い実。それをジャコウネコに食べさせる。種にあたるものがコーヒー豆で、消化されずに排出される。それを洗浄して豆だけを取り出し焙煎したのがコピ・ルアク。コーヒー豆を取り出す手作業を夫は見てきたとか。さっそく豆を挽いていれてみた。味はあっさり、香りは深い、というのが第一印象。苦みは強くない。「なるほど、これが、コピ・ルアクなの」とちょっと感動。