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切り抜き詳細
発行日時
2015-6-7 9:03
見出し
「フクニシ工芸」代表 福西正樹さん(篠山市油井)
リンクURL
http://tanba.jp/modules/about/index.php?page=article&storyid=552
記事詳細
命の危機から現場復帰 2年前の4月、屋根の上で看板の設置工事中、劣化した屋根が抜けて落下。大けがを負い、転院を繰り返しながらおよそ1年半、入院した。事故から1年間の記憶はほとんどないというほどのけがだったが、奇跡的に回復。昨年12月、現場復帰した。 事故後、病院で「一刻の猶予もない」と言われた。頭がい骨を骨折、頸椎(けいつい)、腰椎(ようつい)なども折れていた。ドクターヘリで神戸に運ばれるとき、自発的呼吸もできなくなっていた。緊急手術後、医師は家族に「命がつながればという状態。命は無事でも、意識が戻るかどうか」と宣告した。 入院生活が始まった。白血球が減少し、無菌室に入ったこともあった。心肺機能が落ち、命の危機にもさらされた。昨年4月に再手術。功を奏し、回復の兆しが見えた。5月に県立リハビリテーション中央病院に入った。「入るときに、医師に『子どもも小さいし、看板屋の仕事がしたい』と言ったそうです。でも、記憶にはない。何とか回復しなければという思いが心の奥底にあったのでしょう」。2人の子どもは事故当時、中3、小6だった。 リハビリに打ち込み、昨年9月、退院した。およそ2週間後、父親が亡くなった。『父親が身代わりになってくれたのか』と思う。「退院したとき、父はピースサインをして『よかったな』と言ってくれました」 入院中、励ましてくれる仲間がいた。福西さん家族を支えてくれる人たちがいた。「みなさんに感謝しています」。現場復帰を待ってくれていたお客もいた。「お客さんに喜んでもらえたときのうれしさを、事故の前よりも感じるようになりました」と話す。53歳。