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切り抜き詳細
発行日時
2015-5-21 8:39
見出し
「都構想」
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4256
記事詳細
「高津の宮の昔より よよの栄を重ねきて…東洋一の商工地…力ぞ強き大阪市」 ―大正10年に作られた大阪市歌。 前の新聞社の駆け出し時代、 小学校の卒業式で歌われるのに驚いた。 これほど住民に浸透した県や市歌は筆者の知る限り、 他には長野県歌 「信濃の国」 のみである。 ▼橋下さんがこれを歌っているかどうかは知らないが、 「力ぞ強き大阪」 を目ざした 「都構想」 は、 この歌に一層愛着度を持つであろう60歳代以上層の抵抗で潰え去ったのではないか。 ▼年賀状のたびに 「都構想は絶対許せません」 と書いて来る元市幹部がいたが、 「全国の大都市のリーダーたるべき大阪市をなくしてはいけない」 という気持からだったろう。 しかし大阪市は今や人口で横浜にはるかに抜かれ、 大阪府は経済集積度で愛知に迫られて、 リーダーの座は危うい。 大阪を東京と同じ行政制度にすることでそれが解決するのか。 ▼筆者は昭和50年代に 「府市協調」 のテーマで、 港湾、 水道、 交通の一元化や府立・市立両大学の統合などを提唱したことがあるが、 40年経ってようやく大学統合が協議中というにとどまっている。 ▼府市の幹部らが意地を張りあうのでなく、 実のある協調を探ることこそ肝要である。 かつてない高投票率、 1万票の僅差、 全国からの注視。 関係者はこれを重く受け止めてほしい。(E)