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切り抜き詳細
発行日時
2015-5-21 8:37
見出し
小松菜を育てる
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4254
記事詳細
父から小松菜の苗をもらい、 プランターで栽培を始めて半月。 ようやくそれっぽい形を成してきたのに、 なかなかうまく育たない。 それでも朝な夕な、 青々とした葉を眺めるのが楽しく、 毎日、 「調子はどうや」 と声をかけている。 父が育てる畑の苗と比べて、 明らかに私のものは小さく、 見るたびに敗北感を味わう。 悩んだ末、 畑仕事の師匠である母に教えを請うと、 「間引かんと大きくならんで」。 わかってはいても、 小さな芽でこちらを見上げてくる若芽がいじらしくて、 問答無用に引っこ抜くことができない。 「最後は食べるくせに、 あほか」 と言われそうだけれど。 自分で取り組んでみて、 農作物とは、 植えたら勝手に育つものではないと改めて思う。 店で売っているものも、 農家の、 まさに血と汗と涙が詰まっている。 シカを見ると、 「山へ帰れ」 と祈るようになった。 よその畑や田を見て、 どんな作物をどんな思いで作っておられるのか、 と考えるようになった。 そんな意識は小さな小松菜が教えてくれたもの。 無事に育てて、 感謝して、 存分に食したい。 とにかく間引きと防虫対策をせねば。 (森田靖久)