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切り抜き詳細
発行日時
2015-4-30 9:11
見出し
時を訪ねて
リンクURL
http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=4232
記事詳細
みなさんは、 明治16年に完成したレンガ積みとしては日本最古のトンネルをご存知だろうか。 丹波市と篠山市を結ぶトンネル、 新鐘ヶ坂トンネルの篠山市側入口脇側道の奥に、 それはひっそりと残されている。 篠山市の市民活動団体 「篠山で暮らしたい (隊)」 主催の 「大山テンプルコース」 を歩く企画の中で、 大山の歴史文化を後世に伝える活動をしている 「大山昔ばなしの会」 をゲストに迎え、 案内して頂いた。 普段は施錠されている明治トンネルへと続く入口を通る。 目の前に広がるのは柔らかな春の芽吹きに彩られた美しい新緑の道である。 優しげに葉を広げたライムグリーンの蕗が道の両端を彩る。 そんな森閑とした小道の先にある緩いカーブが終わる頃、 目の前に静かな佇まいを見せる美しい小さなトンネルが姿を現す。 28万枚使ったという赤レンガは、 年月が経った今も朽ちることなく、 積み上げられたままの素直な姿で奥へと続いている。 歩みを進めるほど中は暗く、 陽のあかりは届かない。 懐中電灯の明かりも暗闇に紛れるように散漫な淡い光となってしまう。 一匹のコウモリが逆さになって休んでいる。 明治からの時を閉じ込めた闇の空間で、 体温を持った生き物の気配がいることに安堵の気持ちを覚える。 明治時代には交通の難所と言われた鐘ヶ坂峠。 多くの人の役に立ってきた小さなトンネル。 ひと一人通ることのなくなった今、 密やかな昔の思い出をその暗闇に抱えて、 今日もここに確かに存在している。 (土性里花・グループPEN代表)