平成28年2月に開催されたお母さんが町を創る4
今回のテーマは「丹波市の財政を学ぶ」ことでした。難しいテーマのように感じますが、市職員さんが家庭の家計簿に例えながら、笑いをまじえて親しみやすい内容で話してくださいました。文章にすると少し堅くなっているかもしれませんが、参加したママさんが当日のお話をまとめてくださいましたので、是非読んでみてくださいね。
「丹波市の家計簿をのぞいてみよう!和気あいあい意見交流会」で見た、丹波市とお金の大事な話
丹波市で毎日子育てをしていて、ふと疑問に思うことはありませんか?
「市民税をこれだけ納めているけど、これってどう使われているのかな?」
「子育て支援に、どれくらい使ってくれているのかな?」
「保育料がこの値段なのって、どうして?」
「丹波市の財政、これからどうなっていくの?」などなど。
でもそういう疑問があっても、なかなか普段の生活で聞く機会ってありませんよね。
そんなママさんたちの声にお応えした企画が先日2月6日、ゆめタウンの隣にあるポップアップホールで開かれました。その名も、
「ママ×パパ×丹波市職員 和気あいあい意見交流会」!
丹波市各地から10数名のお母さん、お子さん、そして丹波市の職員の方も休日に参加いただきました。
参加いただいたのは丹波市企画総務部行政経営課の徳岡泰課係長と、若狭光正さん。どちらも子育て経験のあるパパさんです。
自己紹介も終わり和んだ雰囲気の中、スライドを使った分かりやすい説明が始まります。
結論から言って、今の丹波市の財政状況はそんなに悪くはないとのこと。
でもこれから、人口が減ることで税収が減り、それが財政にも影響してくるという見通しも。
お母さんにもなじみ深い、家計簿にたとえての解説。丹波市ではなく、「丹波家」という一つの家族があると考え、一般会計を夫婦のお財布、特別会計・公営企業会計を子どものお財布とたとえることで親しみやすい説明になっています。
気になる丹波家の借金、市債ですが、平成17年度から平成26年度を見ると、20%近く、確実に減ってきています。市債が減ってきた理由は、やりくりすることで「繰り上げ返済」を行ってきたためです。元金を繰り上げ返済することで、返済した元金に係る将来への利子もなくなります。
平成26年には少し一般会計の借金残高が増えているのですが、これには丹波市クリーンセンターの建設、消防の緊急指令装置の設置などがかかわっているそうです。
また丹波家の貯金(基金)について。様々な目的のために貯蓄されてきた基金ですが、これも用途別に分けられています。特に、丹波家に急な出費が入用になった時のための夫婦の貯金を「財政調整基金」といいます。平成19年度からは60億円超くらいで推移していたのが、平成26年の豪雨災害ではここから20億円の取り崩しが行われています。
このように、様々な状況に備えて貯蓄も行っています。
これもグラフを用いて説明してくださいましたが、比較的人口と産業構造が似ている他の市と比較したところ、丹波市は児童福祉費や教育費などに使われている市民一人当たりの金額が多いことが分かりました。
財政状況についてはいろいろな基準があり、借金の返済額と、基本的な収入の関係をパーセンテージで出し、ある基準以上だと借金に制限がかかったり、財政健全化計画を作らなければならなくなったり、ほぼ国に管理されることになる場合もあるそうです。しかし丹波市はその基準を大きく下回っているので、今は健全な財政が行われているといえます。
今後の人口減による税収の減額や、国からの地方交付税の減額を見込むと、平成32年度から、歳出の方が歳入を上回る、つまり赤字になるという見通しが丹波市財政課より示されています。赤字分は基金を取り崩しながらやりくりをしていくという見通しとなっています。
また、インフラ施設の更新費用を把握するため、 平成20年度決算から複式簿記という、より資産が分かりやすくなる形で決算状況を公開することや、 平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定することで、つまり丹波市が持っている資産である庁舎、学校、道路、公園、上下水道等の施設の維持管理や更新にどう向き合うかを日々考えています。
このような状況であることを市民も理解することで、限られたお金をどのように使うのかを考えていく、丹波市の資産をどのように使うのかを考えていくことが大切だと感じました。
※次回の記事で、会場のお母さん方から出た質問にお答えただいた内容を、Q&A形式でお伝えします。
取材:丹波市在住 ママライターS