~熱中症・虫刺され編~
里皮フ科クリニックの里博文先生に聞く、夏の旅で気を付けたいトラブルのシリーズ。後半は、水分補給が自在にできない旅先だからこそ注意が必要な「熱中症」について伺いました。またこれから秋の季節まで危険性が高い「虫刺され」についてもお話しいただいています。
熱中症は、暑い時に体内の水分や塩分のバランスや、体温調整機能が崩れることで起きてしまう症状で、命を落とす場合もあります。体内の水分が5%減少するだけで、呼吸困難やけいれんなど重い症状が出てしまうので、水分補給が重要です。
ヒトの体は、基本的には環境に適応するようにできています。「暑い日が続いている」時よりも「急に暑くなった」「急に湿度が高くなった」「急に風が吹かなくなった」というような突然の気候変化が起こった時こそ熱中症になりやすいのです。
旅先では気候の面で大きく変わる確率が高まるので、細心の注意が必要です。
熱中症を思わせる症状には、発熱、赤く熱い皮膚、頭痛、めまいや吐き気などがあります。熱中症が疑われる場合で意識がない、意識が混濁している場合は即座に救急車を呼びましょう。
意識がはっきりしていても、水分を自力で補給できない場合にはすぐに病院にかかり、点滴などの処置を受けましょう。
水分だけでなく、塩分も取ろう
水分だけでは体内のバランスは崩れたままになってしまうので、同時に塩分も取りましょう。スポーツドリンクは同時に糖分の摂りすぎになってしまうこともあるので、水1リットルに対して1-2gの食塩を溶かした食塩水で十分です。また水と塩飴を携帯していても安心です。
緑に囲まれた丹波市では、アウトドアだけでなく常に気を付けておきたい虫刺され。特に以下の3種の虫には注意が必要です。
ハチ毒が体内に入るとじんましんやかゆみ、酷い場合には呼吸困難や全身症状が出たりする場合があります。刺されてから5-10分で息苦しさなどが出てきた場合は、すぐ救急車を呼びましょう。
黒い服
花柄の服
香水や整髪料
などはハチを呼び寄せるので避け、ハチのいそうな場所に出かける場合は薄い色の服装を心がけましょう。
チャドクガ皮膚炎は6月、9月によく見られる症状です。いわゆる毛虫の毛が風などで飛んできて体に触れて起こります。症状はその日の夜や次の日になってから出るので、本人には原因が分かりにくいことがあります。突然ぶつぶつが広がるような症状が出たら患部を冷やし、受診しましょう。
猫の体についていたノミが草むらに潜んでいて人を刺すことがあります。草引きの際には注意が必要です。膝から下を中心に水疱ができた場合はネコノミが疑われるので、水疱はつぶさずに、近くの皮膚科を受診しましょう。
いずれも、事前に虫よけスプレー(赤ちゃんで心配な場合はオーガニック系など安心できるものを)で防ぎ、刺された場合はまず冷やすようにすると有効です。
いずれも普段から気を付けておきたい症状ばかりですね。旅行など、お出かけの際には日焼け対策、水分・塩分を補給できるもの、虫を寄せ付けない服装やスプレーなど気を付けて夏を楽しみましょう。
取材:丹波市ママライターS