季節は夏真っ盛り。海や山のレジャーや旅行に胸を弾ませる日々ですね。ですが、旅先に限って子供が体調を崩したり、思わぬトラブルに見舞われたりということはつきものです。ここでは、「夏の子連れ旅・起こりがちなトラブルと対処法」について、里皮フ科クリニックの里博文先生にお話を伺いました。
まず旅に出かける前に気を付けておきたいのが、日焼け対策。日焼けの原因は紫外線ですが、肌に有害な紫外線にはUVAとUVBの二種類あるとご存知でしたか?
一般的に「日焼け」の症状として知られる、肌が黒くなる、赤く炎症を起こしてしまう、などはUVBの仕業です。UVAは、UVBのようにすぐ自覚することは少ないのですが、肌の奥の「真皮」まで到達し、シミやシワなど、老化の原因にもなります。日焼け止めクリームは、UVAとUVBの両方を防ぐものを選びましょう。
※UVAへの防御効果はPA(PA+、PA++、PA+++)であらわされ、+の数が多いほど効果は高くなります。UVBの防御効果はSPF(Sun Protection Factor)という値で示されます。「UVBを浴びてから皮膚が赤くなるまでの時間を何倍にできるか」を示す値で、SPFの値が高いほど長い時間の防御効果が得られます。
実は、生涯に浴びるUVの大半は18歳までに浴びるといわれ、また年少期に浴びた紫外線量は、成人後の皮膚がん発生率との相関性も認められています。紫外線対策は子どもだからこそ必要だといえます。
防御は日焼け止めクリームのほか、
帽子(つばの広いものやUV効果のあるもの)
日傘(持つときは柄を短く持つのがコツ)
服(織り方が密なもの)
などでも効果が得られます。
白くなるタイプの日焼け止めクリームは、無機系紫外線防止剤といわれます。肌を白くすることで曇りガラスのような効果を得、紫外線を反射・攪乱する効果があります。
透明タイプの日焼け止めクリームは有機系紫外線防止剤といわれます。有機化合物が紫外線を吸収する効果があります。
日焼け止めクリームを塗るとき、薄くまんべんなく伸ばしていませんか?効果を得るために必要な塗布量はお肌1㎠あたり2㎎ですが、実際塗られているのはその4分の1以下なのだとか。
例えば顔に塗るときには、1円玉台のクリームを手に取り、まんべんなく顔に乗せて丁寧に伸ばした後、同量を重ねづけする必要があります。実際に行うと、想像以上に分厚く塗らなければならないことが分かります。
毎日何気なく浴びている紫外線ですが、短期的だけでなく長期的にも皮膚や体に悪い影響を及ぼしてしまうことがあります。肌に合うクリームや家族に合う方法でしっかり防いであげましょう。次回は、旅先だからこそ起こりやすい熱中症についてお伝えします。