五感で楽しむ自然が子どもを強く、賢くする!
山崎春人さん流・春の野外遊びの楽しみ方
兵庫県西宮市から2002年に丹波市に移住し、地域では「マリオさん」と呼ばれ親しまれている野遊び研究家・山崎春人さん。自然遊びや野外活動に関する知識の豊富さ、またユーモアたっぷりの語り口が多くの人の心をつかみ続けています。
そんな山崎さんに、野外遊びの魅力、これからの季節におすすめの遊び方などを伺いました。
「変化」があるから飽きない!お気に入りの森スポットを見つけよう
「森遊びの魅力は、何と言っても四季に応じて違うものが出てくることです。」と語る山崎さん。丹波には数多くの魅力的な森林スポットがあります。同じスポットでも、年に何回も訪れることで季節折々の表情を感じ取れ、年中飽きずに楽しむことができます。
「そんなに遠くもなく、ここはいつも行こうと思えるような、自分なりの定番スポットを見つけておくといいですね」
マリオさんおすすめ!初心者向け・丹波の森林遊びスポット
森遊びに慣れていない親子でも安全に楽しめる、マリオさんのおすすめ森林スポットをご紹介します。
初心者向けスポットのポイントは、『公園』などの形で整備されていて、自宅から気軽に行ける距離にあること。土地勘があれば家の裏山などでも充分です。
学習面にも影響!自然遊びの嬉しいメリット
40年近く子どもたちの森遊びにかかわり続けてきた山崎さん。子どもが森遊びをすることのメリットを語っていただきました。
「いつも言ってるのは、『(子どもたちの)頭の中にカオス(混沌)がいる』ということです。いろんなものを見たり体験したりしていても、それが整理されていない状態。それらが整理されていくのが『学習』です。」
森の中で、たとえば多くの動植物に触れる。木を切ったり、てこを使って運んだりの体験をする。その時点では混沌とした「体験」ですが、のちに「学習」という形で生物の知識や物理の原理を学ぶ時が来ます。その際学習で得た知識とリンクする「体験」が活き、深い納得と定着につながります。
「野外活動をしていると後の成績の伸びが良くなる、と、文科省の調査でも言われています。小学校の5-6年生から論理的な学習が始まります。それまでの遊びの中での『体験』がものすごく重要です。」
その他、もちろん体を使うことで体力面でも強くなり、「保全能力」も高まるのだとか。
「こけるときに手が出ず、顔からこけてしまう子が増えた、と言われます。舗装された道路しか歩かなかったり、家の中でもじゅうたんが敷かれている、そうするとこける経験がないのでこけたときに手が出なくなってきます。野外に出ることで、自分の身を守る保全能力は上がってきます」
例えば山の斜面を登るときには、独特の体の使い方をして重心の位置を調整します。ぬかるみに足を取られる経験や滑ったり転んだりする経験を通して、子どもたちは体を上手に使いこなすコツを自然につかんでいくのです。
見て、遊んで、食べて!?春ならではの森の楽しみ方
「春はやっぱり草がたくさん出てきます。それを使った遊びを楽しみたいですね」
イタドリなど、茎が筒状になっている草であれば笛にして楽しむことができます。子どもの頃、シロツメクサやタンポポを、かんむりや腕輪、指輪にして楽しんだママもいるのではないでしょうか。アカソ、ヤブマオ、カラムシなど、葉っぱの裏に薄い毛が生えている種類は、アップリケのようにして服に貼り付けることもできます。
「そのほか、やっぱり春の草は美味しいものが多いので、ぜひ食べて楽しみたいと思います」
キイチゴなど、そのまま食べられる実もありますが、タンポポ、ノビル、カンゾウなどは天ぷらにして食べると新鮮な美味しさが楽しめます。「タンポポの若い葉っぱであれば、サラダに入れても美味しいんですよ」。親子で野草の食体験をしたら、大人の方がハマってしまうことも多々あるのだそう。
まとめ
気候の良い季節になりました。さわやかな風と豊かな緑を感じに森に出てみませんか。森に出ることは子どもの体を強くしてくれるだけでなく、後々の学習面にも大きなメリットがあるといわれています。季節の草花で親子ともども楽しく遊びながら、この春にお気に入りの森林スポットを見つければ、一年中の四季の変化を楽しむこともできますよ。