9月5日、この日は朝から大雨だった。
市島支所のボランティアセンターに着くと雨は上がったが、大雨で又水が出ているとのこと。
8月16日の丹波豪雨災害の爪痕を何とかしたくて市島町前山の谷上地区に向かった。
バスで向かう途中の山あいに、ニュースに出ていた今にも落ちてきそうな大きな岩が、
こちらを睨みつけている。
絶対に落ちてこないで!と半ばお願いする気持ちで睨み返す。
大木の混ざった土砂があちこちに山の様に堆積し、倒れ掛かった電柱は半分以上埋まっている 。
どこが川なのか、田んぼだったのか、或いは道だったのかさえも分からない。
山から民家に勢いよく濁った水が流れてくる。 想像していた以上に事態は深刻だ。
小さな子供やおばあちゃんは大雨が降ると心配で涙を流されている。
「ここに土嚢を積んで、民家への水の浸入を防いでください。」
慣れない手つきで土嚢を作る。
慣れてくると焦る気持ちからか、かなりハイペースになる。
これでは1日持たないと判断したリーダーは、何度も休憩を入れた。
3時までには何とか土嚢も積み上がり、手足は土色。心地よい ・・・いや、まだ何か足りない気持ちで作業を終えた。
9月12日、被災された方に
「あなたのお家は大丈夫でしたか?」と聞かれた。
「私の実家は市島町なのですが、被害のない地域でした。すみません・・・」
と答えると
「いえいえ、謝らないでください。被害のなかった地域の方がこうやって助けてくださるので 、
有難く思っているのですよ。」と
その方の家の復旧作業は1か月以上先でないと業者が来られないということだ。
それなのに、他の家や農地の為にボランティア募集のチラシを沢山印刷してこれから配りに行くという。
小さな子供2人の手を引いて、土色の土地に帰って行く。その後ろ姿にエールを送る。
明るく屈託のない笑顔で話しかけてくれた小さな子ども達の幸せを願わずにはいられなかった 。(blue)