たくさんの気付きがあった新潟の旅でした。
そもそもなぜ新潟に来たのかというと、百年の館というところに
東京からたくさん若い人が遊びに行ってるらしい、しかも何度も何度も。
しかも、ただの観光施設なのではなく、古民家で、それをみんなで
手作りで作り上げていって、いまも進化しているような。。。モニョモニョ。
なんという気になる情報であろうか。
そういった理由で、新潟にやってきたのでした。
到着すると、もはや完全に雪国ですから、スニーカーで歩けるはずもなく。
早々に長靴に履き替えて、丘の上にある古民家に到着するやいなや。
雪祭りの準備をするからということで、バケツに雪を放り込んで
ひっくり返して、積んで、放り込んで、ひっくり返して、積んで。。。
なんなの、この強制労働!?
そのまま2時間半びっちり、雪の中で、キャンドルナイトを楽しむ
ための準備を、せっせとせっせと。そして完成して、晩ごはんへ。
移動8時間、強制労働2時間30分で、何がなんだかワカラナイと
いう状況から一転、慣れ親しんだ方々の多い飲み会へと突入。
超盛り上がって、なんだか良い雰囲気。おどろくのは60歳前後の
オッチャンらが、呑めやボケろやと、どんちゃん騒いでること。
ここには東京の若者がたくさん集っていると聞いたけど、なるほど
なぜ集まるのかも、何度も集まるのかも、よーく分かりました。
ひとことで言うと
「個性溢れるおじいちゃんたちの並外れた人間力と
東京の若いモンの強力で成り立つ、常に進化する村」
です。
ポイントを分けるなら、3つです。
1.いつも人こそが最強のコンテンツである
2.都会に生きるキーマンが大きな役割を果たす
3.仕組みはあるにこしたことはないが絶対ではない
1.いつも人こそが最強のコンテンツである
地元に暮らすジイちゃんたちのキャラクターが弾け過ぎてて驚きました。
村長も、仕切りのジイちゃんも、フリーのジイちゃん(なんだそれ)も、
全員個性的で誰もキャラが被らず、そして全員が濃厚で、下ネタも余裕。
冗談ばっかり言ってるし、テンション高いし、よく笑うし、呑ませるし、
いろいろ聞いても、終始「楽しんでもらいてぇんだ」とか言うのです。
まったく嫌味なところがなく、朗らかで、明るくて、アホで、元気。
そんなジイちゃんたちを見ていると、こんな大人になりたいとかは思わ
なくても、こういう年の取り方はステキだなと少なくとも思うはずです。
7名くらいのそのスーパージイちゃんパワーを見せつけられてから、
「みんなすごいっすねー!」とか言ったら、「みんなじゃねえよー!
全員で20名だよ!」って、こんなのが20名もおるんかいなー!!!
いろいろ聞くと、全員ではないけど、十日町市では「出稼ぎ」の文化が
あったらしく、呉服屋さんとして出稼ぎに出掛けていたり、一年のうち
半年くらいは東京に出稼ぎに行って、半年は十日町で暮らすなんていう
生き方をしていた人もいて、コミュニケーションの幅が深くて広い。
あー、、、ほんっとに人に慣れてるジイちゃんが多いな〜と思いました。
こういう魅力的な人物に、世代は関係なくて、魅力的な人は若かろうと
老いていようと魅力的なのです。それが本当によくわかりました。
それと、その個性は「俺はこのキャラでいいんだ」という、自信なのか
開き直りなのか、よく分からない堂々としたものを感じたのですが、
これは一朝一夕で作り上げられたものではなく、年季の入ったものだと
感じました。さらに、説教臭さがない。ここは自分も学びたいほどに。
キャラは堂々と、若い人からも学ぶ、自信と謙虚さのバランスの良さ。
そして常にワハハ〜と笑い飛ばす人間性に、この場の魅力がありました。
2.都会に生きるキーマンが大きな役割を果たす
ジイちゃんたちに魅力的な人間性があるのは事実ですが、加えて大事な
ことは「都会の若者」が継続的に関わっているということです。
ジイちゃんたちを地元の村民として、東京に住まう東京村民の若者が、
某D村をつくっていくような、リアルな体験を求めて、もう何度も何度も
新潟にまで足を運んで、体験ではない本格的な村づくりに参加しています。
本気で参加しているので、体験とか生ぬるいものではなく、ヘトヘトに
なるくらいに真剣に関わるのがとても大切なポイントです。強制労働は
ビールを美味くするんだよ、という名言をジイちゃんの1人が言ってて、
なるほどそれは確かに一理あるよな〜と唸ってしまいました。
そうそう、体験とか中途半端なことやらせるくらいなら、もうガツンと
思いきり仲間に加えて、へとへとになるくらいに頑張ってもらって、
それを労いつつ、うまい酒を飲めばいいんです。それが楽しいんです。
大きな目標じゃなくてもいいので、少しずつ組み上がっていくような
地道だけど確実に前進するもの、今日の達成感も大切にして行うこと。
そういうことに、とても響く、都会の人の価値観に触れられました。
3.仕組みはあるにこしたことはないが絶対ではない
実は、東京から十日町市に無料のバスが通っているのですが、これは
十日町市長の公約らしい「怒濤の人の流れをつくる」政策の一環で、
東京からガンガン人を呼び込もうとやりこんでいるらしいのです。
またこのバスが月に3〜5回ほどらしいのですが、常に満席らしく
丹波にもそういうのあったらいいな〜とか、財源も気にせず、無責任な
妄想をフワフワと広げておったのでありました。ええなあー。
また村民制度というのがあって、年間に3回も来訪するのなら、
間違いなく村民になっておいた方がお得というシステムもあるようです。
これは制度自体のコストメリットよりは、ステータスに心がグッとくる
ところに価値があるんじゃないかな〜と思いました。すごく特別な感情
を持てる、良い制度なんじゃないかな〜って思いました。
しかし。
それらも、やはり人の魅力あってこそかな〜と思ったのでした。
どれだけ仕組みがちゃんと整っていようとも、そこに住まう方々に魅力
がなければ、誰も寄りついちゃ来ないはずであって、そこを十日町市は
すでに抑えてしまっているところが、本当に素晴らしいし強みでした。
そして一度知り合ってしまえば、もはや他人と思えないわけで。
ソーシャルメディア時代は、そういった小さなご縁が、徐々に大きく
なっていくことに、面白さを感じますね。新潟も距離を超えられるなと。
でも、僕らの町にも、魅力的なもの、いっぱいある!
京阪神から人を呼び込めるように、みんなでがんばろう!!