この採掘コスト・レシオが10:1になったとき、「正味エネルギーの崖(the net energy cliff)」が訪れると言われています。根拠は、人間が口にする1カロリーのために、10カロリーのエネルギーが使われているという概算。栽培・飼育し、精製し、運搬し、調理するエネルギーです。場合によっては包装し、宣伝し、冷蔵するエネルギーです。
問題は、そのレシオに我々が気づいていないこと、もしくは1:1の直前までネバれると思っていることです。10:1の崖はある日突然やって来ます。この危機に十分な準備が出来ていない社会(や国家)は、<化石エネルギーのうえに構築された旧システム> vs <文明の存続をかけて求められる新システム> という巨大な変換にさらされます。