さて、ラウンジチェアCH71、ソファCH72の魅力をお伝えする前に、
この2台をデザインしたハンス J.ウェグナーについてお伝えしましょう。
生涯に500脚以上の椅子をデザインしたことから、椅子の巨匠として知られる家具デザイナーのハンス J.ウェグナーは、
1914年デンマークのトゥナーに生まれました。
靴職人の父親をもつウェグナーは、故郷トゥナーで17歳の時に家具職人としての資格を取得。
コペンハーゲンの工芸スクールに在籍後、アルネ・ヤコブセン&エリック・ムラーの設計事務所に勤務しました。
デンマークの代表的なデザイナーの二人が、同じ職場にいたことは、あまり知られていませんが、
その際、オーフス市市庁舎の建築プロジェクトに参加し、そこに納める家具をデザインしています。
オーフス市庁舎では現在もウェグナーの家具が使われているそうですよ。
その後、29歳にして独立し、自身のデザイン事務所を設立します。
カール・ハンセン&サン社とウェグナーの協働が始まったのが1949年ウェグナー、35歳の時。
その年にデザインされたCH24 Yチェアは、翌年1950年に発表されて以降、生産され続けています。
デザイナーだけでなく、家具職人としても優れた腕を持っていたウェグナーは、素材への深い造詣でも知られています。
そのため、斬新な素材の使い方や加工方法を追求してきました。
CH71 、CH72の木製のアーム部分もその1つ。
この部分の張り加工には、精密な作業と仕上げの美しさが要求され、
背とアームの交わる複雑なカーブには、高い職人技術が要求されます。
ウェグナーは数々のデザイン賞に輝く一方、その作品はニューヨークのMoMAをはじめ、世界中の美術館に所蔵されています。
2007年1月、92歳で他界。
職人たちが積み上げてきた素晴らしい木工技術への敬意と愛着。
それを基盤に、ムダのない完成されたフォルムを追求したウェグナーは、
新しい世代の家具デザイナーに影響力をもつ、偉大なる先駆者であったと言えるのではないでしょうか。
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