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切り抜き詳細

発行日時
2013-5-21 10:54
見出し
周回遅れでやんす
リンクURL
http://www.yurakomuten.com/president/2013/05/post-238.html 周回遅れでやんすへの外部リンク
記事詳細
遅まきながら先週末の上棟の様子をお届けします。
周回遅れでございやす。

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去る五月十九日は氷上町で上棟だった。このブログでも何度か触れたが、由良工務店では「上棟日の天候は地鎮祭の日の天候に倣う」という甚だ迷惑なジンクスがある。
この日もそうだった。当該現場の地鎮祭は山がごうごうと唸りを上げるような風の強い朝で、宮司さんの烏帽子も祭壇の神饌物も吹き飛びそうな中の神事だったことを思い出した。

えてして、ジンクスは見事的中したわけだが、今回は棟梁の「ツルの一声」で窮地を免れた。
正午前、氷嚢のように重く垂れ下がった雲からポツリポツリと雨が落ちてきた。雨はみるみる路面を、庭の草花を湿らせていく。棟梁のシャツも汗か雨かの区別がつかなくなったのだが、ここで棟梁はハリネズミのように逆立った頭髪をさっと手で拭うと、「おーい、あと一時間がんばろかあ」と声を張り上げた。
雨で中断するのも、続行するのも現場のことは棟梁の判断に委ねてある。肝心なのは棟梁の勘なのだ。大工は「よっしゃあ!」とそれに答えた。自分にも、また空にも言って聞かせるように気持ちを込めていた。
結局、作業は二時前まで通して続けられ無事に上棟した。この瞬間までぎりぎり持ちこたえた雨は、たまらずタライから水があふれ出すように音を立てて降り出したのだった。
まったく今回の勘所は冴えていた。この熟達した勘というものに何度も家は助けられるものなのだ。