先日来、度々古民家の売却を希望されているお客様のお宅を調査させていただいています。ところが立派なお屋敷なのに、近年改修した床がブカブカしているのが気になり、床下を調査させていただきました。
無住のお屋敷ではありますが、度々家を空けて通気させておられたようです。しかし、床下の換気が不十分だったようです。特に、改修されたキッチンや応接間の床がブカブカになっており、床が低く、換気口がほとんどない状態の場所が一番痛んでおりました。
点検口もなく、床が低く人間が入れないため、やむなく床板を撤去してみました。案の定、蟻道もみうけられ、湿気の多い場所は、シロアリより、ある面では程度の悪い、カビの一種「腐朽菌」でした。湿気の多い場所に発生します腐朽菌にやられますと、木材がカステラのような状態になってしまいます。シロアリ、腐朽菌、どちらも通気さへ十分にできていれば防ぐことはできると思われます。
あなたのお宅は大丈夫でしょうか?・・・
ブカブカの畳をめくってみると・・こんな状態です!
やむなく床まで撤去しました。床下は通風状態の良くない炬燵跡がありました。レンガブロックの壁に脈のようになっている筋が蟻道です。シロアリは顎が強く、多少のコンクリのすきまも壊します。
床の低い台所などの場所は人が入れませんので、床を切り取って空けるしかありません。
床をめくって床下の四方を撮影してみると、換気口はわずかに1か所、しかも小さく塞がれています。
そしてもう一方を見ると、湿気が多い状態で立ち上がる束に一筋の蟻道が・・・見えますか?!
ほかの場所も換気が悪く、湿気の多い場所には、真っ黒なカビがあり、腐朽菌で木材がやられてしまっています。この木材、形はそのままですが、軽くてカステラのようにカスカスです。
今回は、床下全体のシロアリ駆除を実施、すでに売却の予定のため、換気をさせるために必要以上の補修は行いませんでした。
私も日本ではまだ数少ない木材劣化診断士の資格者なのですが、閉所恐怖症のため、中々彼らのように床下には潜れません!残念ながら?!