決して本の宣伝ではありません!
年始に書店で見つけました。見覚えのある「顔」写真が見えたのでつい手に取りました。「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」という本です。
「顔」写真は、一昨年の3月の東日本の震災後、毎日のように福島第一原発から流れてくる映像に流れていた福島第一原発所長であった吉田昌郎氏でした。
当時の様子を門田隆将氏という方がドキュメント本として出版されたのです。
この本を読み、私が思っていました現場への先入観がいっぺんで吹き飛びました。「どうせ、発電所の現場を守っているのは、下請けの臨時労働者だろう。東電の社員が最前線にいる筈がない。」そう思っていた自分が恥ずかしくなるような、臨場感あふれる記録です。
吉田所長いわく、「チェルノブイリ事故×10だった」といわれるように、日本が三分割される可能性のある、そういう意味では過去の大戦以上に、日本にとって深刻な状況が起こっていたと思います。この福島の現場を通し、日本のリーダーの姿、会社のマネージャーたちの姿、事故現場での技術者達としてのリーダーやマネージャーの姿が、まさに死を決断して、原発現場の危機に臨む姿として、ありのままに伝えてくれています。現実に起こっていた事実であればこそ、その姿に学ぶべきことは多いような気がします。
原発論議は別にして、一度読まれることをお勧めしたいと思います。今年最初の有意義な読書感です!