それぞれの家族の思い出をもつ家。再生しながら家を残していくお手伝いは、現場担当者にとって苦労は多いのですが、仕事が完成した時の充実感も大きいものです。
もちろん新築の家を完成した時の喜びはそれ以上であるわけですが・・
ただひとつ、「残念だなあ!」と思うことがあります。それは、これまで住んでおられた古民家を解体しなければならない時です。
今まで多くの家を解体してきましたが、昔の匠の技と素材を消してしまうもったいなさを感じることがよくあります。
この夏、廃村になった集落の片隅にある御宅を再生していますが、それとは反対に2軒の立派な古民家を解体しなければならないことになりました。
一軒は、無住となって10年以上となった大きな古民家です。1年間、古民家住宅として売りに出していたのですが、屋根の傷み具合がひどく、再生にも建物が大きため千万円単位の再生費用が予測されるため、止むなく解体の道筋を選択していただきました。
また、もう一軒は、私が昔から注目していました藁葺き2階建ての住宅です。建ってからの年数は70年程度と比較的茅葺きの民家としては新しいモノでした。ですから、2階建てになっているのですが・・・こちらは、比較的あたしらしい住宅のため、もともと1階2階は天井で仕切られており、囲炉裏等の煙を燻して屋根裏を燻蒸する機能がなかったため、茅葺き屋根も傷みやすいようで、葺替えに数百万円単位の費用が予測されるため、やむなく建て替えとなったわけです。このように、持ち主様も解体を望んだわけではないのですが、やむなく解体ということが時折あります。残念なことですが・・・
冒頭の写真は今から40数年前の大江町仏性寺の風景です。右端に僅かに切り妻の屋根の端だけが写っていますが、その建物が再生中の建物です。
施主様から当時の写真を見せていただきました。また、当時の丈のストックをいただきました。今度スキー場で使用してみようと思っています。
このストック非常に丁寧に作ってあります。もちろん手作りのようです。
こちらもただいま再生中のお宅です。大きな屋根が立派です。屋根も只今塗り替え中です。
このお宅は残念ながら新しい家を建てたあとに解体しなければなりません。
現在当社の土木部の社員が進入路のブロック積みの擁壁をしています。
こちらは、残念ながら母屋は解体して本日は地鎮祭です。でも離れは改造して残しています。地鎮祭の準備をしているのは、大工経験もある監督の武田さん。
このお宅は、一年間ほど当社で売却不動産として、田舎ねっと日本はじめ様々な方法で売却を試みましたが、残念ながら痛みが激しく解体しなければなりません。非常に残念です。