さなぶり
田植終了の祝いをいう。早苗振りなどと書くのは根拠のない当て字である。九州地方ではサノボリといって、田の神が田植を終わって天に帰る日という。静岡県などで田植開始の日をサオリ(田の神が天から降(くだ)る日)ということによってみても、「サ」が「田の神」のことを意味していたと考えられる。サナブリには、めいめいの家の田植の終わった祝いである家サナブリと、村全体の田植の終わった場合の村サナブリとがある。関西地方ではサナブリのことをシロミテとよぶ土地が多く、これにもサナブリと同様に家々の小シロミテと、村全体の大シロミテとの二つがある。家サナブリは日が一定していないのが普通であり、一軒が終わるとまた次の日に他家のサナブリを行う。村サナブリは村全体の田植が終了してからのことであるので、期日を決めることができるが、遅れて7月に入ってする場合もある。また静岡県や長野県には、村サナブリの日を毎年一定している例もある。サノボリの際には早乙女(さおとめ)や作男に対して小宴を開いている。埼玉県川越市では荒神様に苗を2把、ぼた餅(もち)、果物などを供えるという。また馬鍬(まぐわ)をきれいに洗ってこれにも供え物をする。サナブリは普通田植についていうが、麦のサナブリ、芋のサナブリを祝う例もある。
「さなぼり」
「5月28日に氏神さんでさなぼりをします。お参りください。」と各戸へ区長からふれがきた。コシヒカリなどの早稲地域である但馬、丹波や北播州では、5月に田植えを終え5月中下旬から6月上旬が「さなぼり」の行事である。県南部では、水利をため池に依存しているため、田植えは梅雨期の6月になる。
「さなぼり」は私達の地方の呼び名であり、辞典では「さのぼり」で田植えの終わりに田の神を送る祭り。転じて、田植えじまいのお祝い、農事の休日を言う。さなぶり、さなぼりとも言う。「さのぼり」の「さ」は神を意味し、早乙女(さおとめ)、早苗(さなえ)の「さ」も神を意味する。テレビのニュースなどで稀に、田植え祭りの行事が紹介されることがある。その田植え祭りで早乙女が早苗を植えるのは、神になりかわった乙女が神から授かった水稲の苗を植えることを象徴していると言われている。
私の田舎では、今も「さなぼり」の伝統行事がなんの抵抗もなく続けられている。しかも非農家も含めての区民全員の行事で氏神様へお参りして、祝詞(のりと)をあげ、お供えした神餞(しんせん)・・御神酒、つまみなど・・を頂き、それを飲食しながら情報交換し、村人の親睦をはかっている。これが楽しいことで、「○○さんが、酒気帯び運転で30万円とられた。」「△△さんの息子がべっぴんさんと結婚した。どこで探してきたのかなあ。」「台風災害復旧で仕事は忙しいが、給料は高くならん。どこがもうけているのかなあ。」とか、近在の情報が沢山語られる。
また、神様への田植えが無事終わった感謝と秋の豊作を祈念することと田植えという農繁期が終わったと言う区切りでもある。・・さあ、これから本格的な夏を迎える。気構えのときでもある。
「さなぶり」とは簡単に言えば、田植えを終えた祝いのことです。 田植えを無事に終えたことを神さまに感謝し、人にも感謝し宴が催されます。
初めて参加したさなぶり会
村のおじいちゃんおばあちゃんの時代の
懐かしのレコードが集まり
レコード鑑賞会になった
もう 稲の穂にはたくさんのつぶつぶが実り
来月には収穫が始まる