ボアジチ大学文理学部歴史学科日本語講座のプレゼン発表会に参加した。トルコの学生の「トルコと日本を比べる」という発表を聞いた。
レジュメ集に「トルコのナスレッディンホジャと日本の一休さん」というテーマがあり、興味を持った。ナスレッディン・ホジャは、13世紀にトルコのシビルヒサールで生まれた実在の人物と言われている。一休さんのようにとんちがうまい。
ホジャの話は、どんなに困ったことがあっても、しゃれ、からかい、風刺、ウィットと屁理屈で乗り切ってしまうしたたかな精神がみなぎっている。ここには、ホジャの話を語り伝えた民衆のおおらかさと負けじ魂が入っている。
ホジャの話を知るには、児島満子『子どもに語るトルコの昔話』がよい。「まねかれたのは上着」「イチジクで幸い」などの一話は7分ほどで読め、読み聞かせにも適している。大人も子供もトルコの昔話の不思議な魅力に引き込まれる素敵な一冊である。