今年は申年。
近くで干支の山といえば猿藪である。
12年前に一度行ったきり。
久しぶりに行ってみよう。
12年前は、高山から猿藪へ歩いた。
高山は三角の形のいい山で、同定しやすい。
猿藪は少し標高が低いが、高山に寄り添うようにそびえている。
首切地蔵尊のすぐ下にある地蔵公園の駐車場に車を置く。
今冬一番の冷え込みで、辺りは霜で真っ白。
首切地蔵尊を左に見ながら林道を進む。
高山登山道の標柱が目印である。
林道を歩いて行くと、大呂坂の石仏に似た道標石仏が!
「あれ、こんなところにあったっけ?」
ここを歩くのは三回目だが、初めて見る石仏だ。
「右 やま道 左 瀧野 大坂」 と見てとれる。
このあたりに大呂坂への道があるはずだが・・・。
と思いながら、さらに林道を登っていく。
30分ほど歩くと、巡視路マークと倒れた標柱がある。
ここから林道を離れ、山へと入っていく。
すぐに巡視路と大呂坂への分岐があり、坂への道を進む。
ああ、こんなみちあったなぁ、と思いながら登っていくと、西脇市と山南町の境界尾根に出る。
ここが大呂坂。
南向きのお地蔵さまが以前と変わらぬ姿で佇む。
1回目は、今回と同じ高山へ向かった。
2回目は、
反対へ歩き妙見山から竹林山へ歩いた。
「お地蔵さま、また来ますからね。」
水分を補給し、高山へ向かう。
すぐに巡視路と合流し、鉄塔の下に出る。
山南町側は植林、西脇側自然林の尾根。
柔らかな冬の陽ざしがあたたかい。
高山直下まで来ると、両側が自然林となる。
ここから高山への登りが始まる。
急なところにはロープが設置してある。
前回は雪が少し積もっていたので滑りながら登ったっけ。
大呂坂から45分で高山(659.9m 四等三角点)に着く。
北西に切り開きができ、山南町中央部や兵庫パルプ、奥には千ヶ峰やまたに山、篠ヶ峰などが望める。
南には、住吉町を挟んで西光寺山が大きい。
おやつを食べて、すぐに猿藪へ向かう。
高山から下り始めてすぐ、前を行く父たぬきの、
「わー!」という感嘆の声。
なんと、西脇側の木が伐採され、真正面に白髪岳・松尾山がどーんと聳えているのだ。
「うわー、すごい展望!」
御嶽・西ヶ嶽などの多紀アルプスや篠山市街、京愛宕も見える。
西寺山、和田寺山、六甲の山並み、三田の羽束山や大船山も・・・。
これから向かう猿藪も見える。
伐採された木を見ると、2,3年は経っているようだ。
伐採された木で少し歩きにくいが、けやき峠と猿藪の分岐まではすぐだ。
この標識のあるところが、けやき峠と猿藪の分岐。
猿藪へは、いったん下り、登りかえすが、雰囲気のいい尾根である。
急な斜面を木につかまりながら一気に登っていく。
12年ぶりの猿藪は西の眺望がよくなっている!
左に西光寺山、右に高山、最奥には小豆島の島影も!
北には、歩いてきた高山の東尾根と千ヶ峰を中心とする山々、粟鹿峰も頭を出している。
木の間越しに、由良ヶ岳や杉山も見える。
南には、淡路島と明石海峡大橋も!
いつまでもここで景色を眺めていたいが、帰りの時間が気になる。
山頂に心を残しつつ、来た道を引き返す。
高山とけやき峠の分岐まで戻ると、けやき峠への北尾根を下る。
激下りで、前に来た時は滑りながら下りた記憶がある。
ロープや木を頼りにしながら下りていく。
「ここを登るのはしんどいやろね。」
猿藪から30分ほどでけやき峠に下り立つ。
以前は、峠から東方面が開け、御嶽が見えたが、12年の間に木が成長し見えなくなっている。
峠から踏み跡程度の道を西へ下る。
10分足らずで林道に出る。
林道を歩き、地蔵公園の駐車場に戻る。
帰り支度をしていると、首切地蔵尊の方から山歩きの人が3人下りてくる。
地蔵尊のあたりで登山口を捜したが見つからない、とのこと。
コースを説明し、ルートを書き込んだ地図を差し上げる。
無事に下りてこられただろうか、と父たぬきは次の日にも案じていた。
干支が一周する間に山の様子はずいぶん変わっていたが、丹波の素朴な雰囲気はそのままだった