その季節になると訪れたい山がある。
新緑、黄葉、雪・・・。
山はどの季節もいいけれど、向山などはヒカゲツツジの時期によく登られる。
春は三重嶽(さんじょだけ、さんじょうだけ)に登りたくなる。
三重嶽には、これまで5回登っている。
石田川ダムから林道を歩いて落合登山口から登って三重嶽・武奈ヶ嶽・赤岩山を周回するコース、
天増川沿いの水谷から登って三重嶽から近江坂を周回するコース、
河内谷林道の登山口から三重嶽・大御影山・滝谷山を周回、と3つのコースを登っている。
また、
水坂峠を基点に武奈ヶ嶽から分水界を歩いたことも・・・。
一昨年の春には、水坂峠から二の谷山を歩いた。
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今回は、落合からの尾根と武奈ヶ嶽に続く尾根の間にある、山頂から南へ延びる尾根を登ることにする。
webで検索すると、八王子谷橋からとりつくようだ。
藪と書いてあるレポートがあるが、何とか歩けそうだ。
この尾根は、以前、舞鶴のMさんがシャクナゲのある尾根と言われていたところだ。
下りをどうするか・・・。
ワサ谷コースを歩いたことがないので、これを使うことにしよう。
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舞鶴道上中インターで降り、国道303を東へ走る。
熊川宿を通って、滋賀県へ入り、二つ目の「水坂トンネル」を抜けると、すぐに北の角川集落へ向かう。
集落を抜けて奥に入っていくと石田川ダムに着く。
(尚、水坂トンネルは名前から想像できるように中央分水界の下にある)
以前はここに車を置き、落合登山口まで歩いたこともある。
また、かねちゃん、TQFさんと歩いたときは、かねちゃんの車で落合まで行ったこともある。
駐車場には滋賀ナンバーの車が1台。
トイレを使わせてもらい、さらに林道を車で進む。
八王子出合手前の広くなったところに車を置き、準備をして歩き始める。
新緑がまぶしい。
とりつきには、今津山上会の標識が立っている。
へー、こんなところにあったのか!
2回は、そばを歩いているはずだが、気づいていたのか、忘れているのか・・・。
急な斜面には踏み跡程度の細い道がジグザグに上がっている。
三重嶽はどこから登っても登り始めは急な斜面だが、ここも例外ではない。
今津山上会の杭が要所要所に立っているので、それを目印に登っていく。
植林の中を登っていくと、木の間に蛇谷ヶ峰や比良の武奈ヶ岳が姿を現す。
大きなナツツバキの木。
花の時期はいい香りがするんだろうな。
尾根がなだらかになると植林からユズリハの群生にかわる。
テープや切り開きがあり、藪で歩きにくいということはない。
ずっとユズリハが続き、
「シャクナゲは?」と思っていると、やせ尾根にピンクの花が見える。
花は終わりかけだが、標高が上がるとまだ元気な花もあり、心もおどる。
三重嶽からの北尾根、南西尾根、南尾根には、シャクナゲが多いが、ここがいちばんかも。
このコースを歩いてよかった!
シャクナゲがなくなると、ブナの森。
いいなあ、ここ。
なんども深呼吸をして、新緑の中を登る。
東には琵琶湖と竹生島が姿を現す。
竹生島が近くに見える。
4月に海津大崎、菅浦を訪ねたが、あちらから三重嶽が見えていたのかな?
傾斜が緩み、尾根が平らになると、曲がったブナが現れる。
このブナを見ると、三重嶽に来たな、といつも思う。
1本のブナではなく、根元から数本の幹が分かれ、グネグネと曲がって伸びている。
すぐに高島トレイルに合流する。
トレイル側から歩いてきた尾根への標識もある。
高島トレイルを北へ歩き、三重嶽山頂へ。
登山口からちょうど2時間。
南に武奈ヶ岳や蛇谷ヶ峰が霞んでいる。
東には竹生島。
伊吹山は肉眼で何とか確認できる。
少し休んで、高島トレイルを南へ歩く。
曲がったブナが独特の雰囲気を醸し出す。
山上池を通り、快適なトレイルを南へ。
百里ヶ岳、若狭駒ケ岳、多田ヶ岳など、おなじみの山々が並んでいる。
西に目をやれば尖った青葉山。
どーんと大きい武奈ヶ嶽と左奥は武奈ヶ岳。
高島トレイルを示す新しい標識が立っている。
以前付けられた黄色いテープは、劣化したり飛んで行ったのか、ずいぶん少なくなっている。
若い緑におおわれた武奈ヶ嶽が近づいてきた。
ワサ谷への分岐はどこやったかなぁ?
と言いながら歩いていると、どんどん武奈ヶ嶽に近づく。
いったん下ってP674へ。
振り返るとなだらかな三重嶽。
さらに登っていき、P817を過ぎるとようやく分岐に着く。
三重嶽から4km、ワサ谷橋へ3.8mとある。
少し休んで、ワサ谷橋へと下っていく。
尾根は、最初だけブナであとは植林、そのあとは最後まで植林が続く。
植林の林床にピンクの花が!
登りの尾根では葉っぱばかりで、花は終わってしまっていたが、ようやくトクワカソウに出会えた。
歩きやすい道を下り、堰堤そばにおりたつ。
作業道を少し歩き、ワサ谷橋に出る。
林道を20分ほど歩いて駐車地まで戻る。
「三重嶽、ほんまにええ山やなぁ。」
この山には何か惹きつけられるものがある。
それは、景色、ブナ、お花など、三重嶽独特の雰囲気があるような気がする。